人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

人工妊娠中絶が禁止されている国は出生数が多い

【アフリカ54ヵ国 出生数が2023年も増加している国】

青の上矢印の国は、2023年時点で出生数がその国の過去最多で増加し続けている国です。赤い下矢印の国は、出生数が減少に向かっている国です。アフリカ54ヵ国では、出生数の増加国は39ヵ国/54ヵ国 、出生数が減少している国は15ヵ国です。

アフリカ54か国で、人工妊娠中絶を「経済的理由や母親の意志」で自由に合法的に選択できる国は、5ヵ国です。(南アフリカモザンビークチュニジア、カーボヴェルデ、サントメ・プリンシペ

人工妊娠中絶が合法の国で、出生数が増加している国は、アフリカではモザンビークの1国だけになります。

 

各国が人工妊娠中絶を合法にしているか否かは下記のwikipediaを参照しています。

人工妊娠中絶法 - Wikipedia

 

 

【中東 出生数が2023年も増加している国】

 

中東の国で2023年も出生数が増加している国は、5か国になります。

ウズベキスタン

アフガニスタン

パキスタン

・イエメン

カタール

この内、人工妊娠中絶が経済的な理由や母親の意志で合法に選択できるのは、ウズベキスタンの1国だけになります。

出生数が2023年で増加しているのは、アフリカの39ヵ国と中東の5ヵ国のみになります。

 

 

【ヨーロッパの国 出生数がピークだった年】

 

ヨーロッパでは出生数が2023年時点で増加している国はありません。出生数がピークだった年を国連のデータからマップにしました。1963年、1964年がピークだった国がイギリス、オランダ、ドイツ、イタリア、オーストリア、スイス、ベルギーと多く目立ちます。

1960年にフランスで「フランス家族計画運動」という中絶の合法化を求める運動が盛んになったり、イギリスでも1960年にAbortion Law Reform Association (ALRA)という中絶法の改正を求めるキャンペーンを強化し1967年に合法化されました。

ヨーロッパでは1960年代に中絶の合法化が盛んになり、出生数がピークを迎えたということになります。

 

ヨーロッパの国(人口100万人以上)で中絶が違法とされているのはポーランドです。カトリック教会の影響が強い国で、2020年10月にポーランド憲法裁判所が中絶は違憲であると判断しました。

ポーランド、人工妊娠中絶がほぼ全面禁止に 首都で抗議のデモ - CNN.co.jp

 

 

【アジアの国 出生数がピークだった年】

 

緑の丸枠の国は、人工妊娠中絶が「経済的理由や母親の意志」で選択できる国です。赤い数字は、出生数がピークだった年になります。人工妊娠中絶が許されてないフィリピン、マレーシア、スリランカバングラデシュは出生数のピークが2000年以降とアジアの中で比較的遅かったのを見ても、人工妊娠中絶が出生数に大きく影響していることがうかがえます。

 

 

【日本の人工妊娠中絶と出生数の関係】

日本の出生数と中絶数の関係 1949年~1970年

何故、日本の第一次ベビーブームが終焉したのかという疑問を調べてみたら、人工妊娠中絶の導入だったと知って、今回の記事を調べてみようと思いました。

 

日本では明治後期から中絶や間引きを法律で禁止することで、富国強兵へと繋げてました。敗戦後に日本の飢餓状態や住宅難状態を考慮して1948年に母体保護法優生保護法が成立して人工妊娠中絶が以降急増しました。

 

下記の記事にある通り、もし人工妊娠中絶が導入されずにいた場合の出生数は1974年まで出生数は毎年270万人前後で減らずに維持した計算になります。

www.sankei.com

世界の中絶数の統計を調べてみると、1950年代に年間100万件を超える人工妊娠中絶が起きたのは日本だけでした。日本が人口減少の先駆けと言われる所以は1948年の優生保護法が他国よりも早かったからなのでしょう。

 

【使用した出生数 国連データ】

World Population Prospects - Population Division - United Nations

日本人の人口移動(引越し)は2024年が戦後では過去最少

日本人の移動者(市町村間以上)の推移 1954年~2024年

ソース:統計局ホームページ/住民基本台帳人口移動報告 2023年(令和5年)結果

第2表 男女別移動者数、都道府県内移動者数及び都道府県間移動者数の推移-全国(移動者(日本人及び外国人)、日本人移動者)、外国人移動者)(1954年~2023年)

 

日本人に限定した、国内での引っ越し件数を調べたところ1973年の853万人をピークにその後下落して2024年が456万人と半減していることが分かりました。

1954年以降の統計では日本人の移動者数は2020年が1956年以来の低い数字になり、その後も下落は続いて、2024年は更に減少しています。

 

今回調べるきっかけとなったのは、2024年に不動産仲介の業界が厳しい局面を迎えている理由として、消費者が引っ越しをしなくなっていると聞いたのでグラフにしてみました。

 

 

アメリカも引っ越し人数の割合は2023年は人口の7.8%で統計開始の1948年過去最少】

Number of Movers and Mover rate 1948~2021

黒い線が「Mover rate」という人口当たりの移動率で、2023年は過去最少になっています。青い縦棒が移動者の実数ですが移動者も過去最少になっています。

U.S. Migration Continued to Decline From 2020 to 2021

 

 

【韓国も移動率が減少して2022年は12%】

全国の移動者数615万2000人に減少 | グラフで見る韓国経済 | ニュース | 東洋経済日報

 

 

【人口を考慮した日本人の移動率の長期推移】

日本人の移動率(引越)の割合 1955年~2024年

日本人の人口が減少したことで移動数が減ったのではなく、移動率自体が減少して半減しています。1973年に移動者の伸びが止まったのは、地方と東京の賃金格差が1.3倍以下になった為です。地方と東京の賃金格差は1950年代では2倍近くあり、多くの農村の人が東京に移住し人材の需給のバランスが1.3倍になったところで止まったと以前に論文を見たことがあります。

移動率が減少したもう1つの要因としては移動率が高い若年層(20代)の割合が減少したこともあります。

 

 

【日本人の 都道府県内移動 と 都道府県間移動】

日本人の都道府県内移動率と都道府県間移動率 (各年の上半期)

統計では、移動者は「都道府県内」or「都道府県間」であるかを知ることができます。2024年の1~6月のデータを過去と照らし合わせるのに、2015年~2024年の「1~6月」のデータを比較してみました。

赤線が都道府県内の日本人の移動率(各年の上半期)で年々下がってきているのが分かります。対して都道府県を跨ぐ日本人の移動率は大きくは変動してないのが特徴です。2014年より前の移動数は、統計で日本人と外国人を分けたものが見当たらなかったので2015年から2024年の上半期のグラフになります。

 

 

【日本に住む外国人の移動率は日本人の4.5倍】

2024年1~6月の移動率(日本人と外国人)

2024年の1月~6月までの日本人と外国人の移動数に、日本人口と外国人人口を割ったものを比較しました。移動率は日本人が、半年で2.24%で、外国人が半年で10.29%。年間で換算すると、日本に住む外国人の移動率は約20%になり、1年間に5人に1人は引っ越すということになります。後述しますが、日本人で年間の移動率が20%を超えているのは「22歳」だけになります。

 

 

【日本人の年間の移動率 年齢別】

年齢別の年間移動率 2023年

統計局ホームページ/住民基本台帳人口移動報告 2023年(令和5年)結果 (移動率)

 

2023年の日本人の移動率18歳が11%、22歳が22.6%でピークとなり、45歳で2.9%、57歳で2%以下になります。

 

 

【人口流動の減少と人口減少はリンクしている】

日本の人口の歴史で、人口爆発があったのは、1600年~1700年と1895年~1950年で、2つの共通点は人間の移動が多かったことだと思います。1600年に江戸幕府が誕生し、江戸に100万人の移住者が発生したり、外様大名の移動があり人口が流動した時期であります。1895年は日清戦争が始まり台湾を併合し朝鮮も併合して大日本帝国が拡大して、人口の流動が活発になり終戦の引き揚げ時も人口流動が発生しました。
ホモサピエンスの長い歴史を見ると、人は流動することで生物学的に発展してきたように思います。

世界の武力紛争は2023年が59地域で1946年以降で最多(イスラムが10年で2倍)

世界の紛争数/年間(25人以上の死者が出た紛争) 1946年~2023年

UCDP - Uppsala Conflict Data Program

ウプサラ紛争データプログラム (UCDP) は、スウェーデンのウプサラ大学に存在する組織的暴力についてのデータ収集プロジェクト。1946年以降武力紛争についての情報を収集しており、同プログラムの年次レポート『States in Armed Confilict』を通じて一般に利用できるようにしています

 

UCDPの武力紛争の定義は、「1年間で25人以上の死者数」が基準となっています。

UCDPデータの紛争は「国vs国」「国vs組織」「国vs組織(外国が参入)」と分類されてるのと、他の機関のデータは「1000人以上の死者数」が基準になっていますが、ウプサラ紛争データでは「25人以上」なので紛争内容が細かく分析されています。

 

 

UCDPの年間の紛争件数をグラフにしたのが前述のもので、2023年では59地域で統計開始の1946年以降では過去最多となっています。1946年以降の紛争数のグラフの推移を見ると1991年が一度ピークを迎えてますが、米ソ冷戦が終結してソビエト崩壊に伴う大国による圧力がなくなったことで、民族間の紛争が激化して1991年は52件になりました。2023年がピークを迎えたとのを1991年と照らし合わせると、大国による抑圧が無くなってきていることで世界各地で紛争の数が多くなっているのかもしれません。

 

 

【武力紛争による死者数】

世界の紛争による死者数/年間 1989年~2023年

武力紛争での死者数の統計は、UCDPでは1989年開始となっていて、最多は1994年の824,132人でルワンダで大量虐殺があり77万人が1国で死亡したとされています。それに次ぐのが2022年で死者数は311,325人で、半数がロシアとウクライナの戦争によるものです。

 

 

終結した紛争数は2023年は0件で1946年統計開始以降初めて】

終結した紛争数/年間 1994年~2023年

UCDP紛争データでは、終結した日を見ることが出来るので、各年で何件の紛争が終結してたか調べたところ、1946年の統計開始以降では2023年は初の0件でした。上記のグラフは直近30年の紛争終結数で、1994年~2022年では平均の年間の紛争終結数は9件になります。2023年の世界での紛争が59件と過去最多になった一つの要因として、終結が2023年は0件だったことが挙げられます。

 

 

イスラム教が関係した武力紛争の数は10年で2倍】

イスラム教関連の紛争数/年間 2007年~2023年

UCDP紛争データから、イスラム教が関連した紛争をグラフにしてみると、2013年は21件だったのが2023年には40件と2倍になって過去最多となっております。イスラム教徒が95%以上の国家、若しくはイスラム教の組織集団が当事者であった紛争が倍増していることで、世界の武力紛争の数を押し上げてるように見えます。

 

 

【世界の紛争数 1946年~2023年 データ】

  紛争数
1946年 17
1947年 14
1948年 20
1949年 21
1950年 18
1951年 14
1952年 14
1953年 16
1954年 15
1955年 13
1956年 17
1957年 17
1958年 18
1959年 16
1960年 15
1961年 21
1962年 20
1963年 20
1964年 25
1965年 27
1966年 28
1967年 33
1968年 26
1969年 29
1970年 26
1971年 29
1972年 26
1973年 26
1974年 28
1975年 30
1976年 32
1977年 36
1978年 38
1979年 41
1980年 41
1981年 42
1982年 44
1983年 43
1984 42
1985年 38
1986年 44
1987年 46
1988年 39
1989年 41
1990年 49
1991年 52
1992年 51
1993年 43
1994年 50
1995年 41
1996年 41
1997年 39
1998年 39
1999年 40
2000年 39
2001年 38
2002年 32
2003年 33
2004年 33
2005年 32
2006年 33
2007年 34
2008年 38
2009年 36
2010年 31
2011年 37
2012年 32
2013年 39
2014年 46
2015年 53
2016年 53
2017年 52
2018年 51
2019年 55
2020年 52
2021年 54
2022年 56
2023年

59

 

【紛争による死者数のデータ】

  死者数
1989年 67,724
1990年 95,783
1991年 84,391
1992年 79,096
1993年 74,237
1994年 824,132
1995年 72,564
1996年 62,855
1997年 87,956
1998年 67,264
1999年 61,645
2000年 100,578
2001年 94,250
2002年 38,296
2003年 41,897
2004年 40,887
2005年 36,785
2006年 20,611
2007年 27,701
2008年 28,770
2009年 39,670
2010年 50,524
2011年 34,141
2012年 41,263
2013年 90,713
2014年 115,163
2015年 151,438
2016年 131,752
2017年 115,733
2018年 113,280
2019年 89,663
2020年 79,623
2021年 105,802
2022年 311,325
2023年 154,620

 

終結した紛争数/年間 データ】

  終結紛争数
1946年 7
1947年 3
1948年 7
1949年 6
1950年 6
1951年 2
1952年 2
1953年 5
1954年 5
1955年 1
1956年 6
1957年 4
1958年 5
1959年 5
1960年 2
1961年 6
1962年 9
1963年 5
1964年 4
1965年 6
1966年 5
1967年 7
1968年 4
1969年 4
1970年 5
1971年 7
1972年 6
1973年 6
1974年 6
1975年 4
1976年 3
1977年 3
1978年 8
1979年 5
1980年 5
1981年 7
1982年 9
1983年 6
1984 7
1985年 1
1986年 3
1987年 8
1988年 11
1989年 8
1990年 15
1991年 16
1992年 18
1993年 10
1994年 15
1995年 13
1996年 15
1997年 8
1998年 9
1999年 10
2000年 6
2001年 9
2002年 6
2003年 7
2004年 10
2005年 4
2006年 5
2007年 3
2008年 9
2009年 8
2010年 5
2011年 10
2012年 6
2013年 5
2014年 11
2015年 15
2016年 14
2017年 13
2018年 8
2019年 10
2020年 14
2021年 6
2022年 7
2023年 0

 

イスラム関連の紛争数 データ】

  全紛争 イスラム紛争 イスラム割合
2007年 35 13 37%
2008年 38 16 42%
2009年 37 17 46%
2010年 31 16 52%
2011年 37 19 51%
2012年 33 20 61%
2013年 39 21 54%
2014年 46 26 57%
2015年 54 36 67%
2016年 54 34 63%
2017年 53 35 66%
2018年 51 36 71%
2019年 55 38 69%
2020年 56 36 64%
2021年 54 35 65%
2022年 56 38 68%
2023年 59 40 68%

単独世帯率25%以上の国は合計特殊出生率2.0未満

単独世帯率(横軸)と合計特殊出生率(縦軸) 107ヵ国

単独世帯率とは、「単独世帯数」÷「全世帯数」になります。

単独世帯率は国連が公表している107ヵ国のデータの中で新しい値を参照しました。

https://www.un.org/development/desa/pd/data/household-size-and-composition

上記URLの「dataset」のリンクでエクセルが開きます。

この中の「households by size one member」という項目が「単独世帯率」になります。

縦軸は、単独世帯率を調査した年のその国の合計特殊出生率を対比させました。

 

「単独世帯率」と「合計特殊出生率」の散布図を見ますと、単独世帯率が25%以上の国で合計特殊出生率が2.0以上の国はなく、人口を維持出来ない国ということになります。

 

 

【日本の単独世帯率は2023年が過去最高で34%】

日本の単独世帯率の推移 1992年~2023年

厚生労働省データ

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa23/dl/02.pdf

 

  単独世帯率
1992年 21.8%
1995年 22.6%
1998年 23.9%
2001年 24.1%
2004年 23.4%
2007年 25.0%
2010年 25.5%
2013年 26.5%
2016年 27.1%
2019年 28.8%
2021年 29.5%
2023年 34.0%

 

日本の単独世帯率は、ヨーロッパ(40%前後)と比較すると低く、韓国と同じくらいです。グラフを見ても分かりますが、2023年に急激に単独世帯率が増えました。

2023年に単独世帯率が増加した理由を計算してみると、「64歳以下」「65歳以上」で分けると、2023年の急激な上昇は「64歳以下」が単独世帯率の増加に大きく寄与しているのが分かりました。

 

日本の単独世帯率 「65歳以上」と「64歳以下」 1986年~2023年

 

 

【世界中の過去500年間の単独世帯率】

 

Loneliness and Social Connections - Our World in Data

 

このグラフは、歴史家キース・スネルの論文を改変したもので、入手可能な歴史的記録と最近の国勢調査データから抜粋して、さまざまな場所と時代における単身世帯の割合の推定値を示しています。各点は、ヨーロッパ、北米、日本、または英国の 1 つの集落の推定値に対応しています。

 

18近世から 19 世紀にかけて、単独世帯の割合はほぼ一定で、通常は 10% 未満でした。その後、20 世紀に増加が始まり、1960 年代に加速しました。

 

現在の一人暮らし世帯の普及率は、歴史上前例のないものです。このグラフで記録された最高点は、2012 年のストックホルムで、世帯の 60% が一人暮らし世帯です。

 

グラフを見ますと1730年に日本の「Nishinomiya」とあり単独世帯率が8%くらいだったのが分かります。

 

 

【単独世帯率が低い国TOP10は全てイスラム教】

単独世帯率が低い国TOP10

前述の国連のデータで単独世帯率が低い順に並べると、1位から10位まではイスラム教の国になり3%以下でした。単独世帯率の調査年が10年くらいばらつきがありますが、イスラム教の国は極端に単独世帯率が低くなってますし、時代を経ても増加してないように見えます。

 

  単独世帯率 イスラム教徒率
アフガニスタン 0.2% 99%
イラク 1.0% 97%
パキスタン 1.1% 96%
ソマリア 1.5% 100%
アルジェリア 1.6% 99%
スーダン 1.6% 97%
イエメン 1.9% 100%
ウズベキスタン 2.3% 93%
シリア 2.4% 87%
バングラデシュ 2.9% 90%

 

イスラム教の国が単独世帯率が低い理由を調べた結果は下記のようになりました。

1. 家族の絆を重視するコーラン預言者ムハンマドの教え

2.イスラム教圏では、複数世代が同居する拡大家族制度が伝統的に根付いている

3.イスラム教では結婚が奨励され、独身でいることはあまり好ましくない

4.公的な社会保障制度が十分に整っていない

5.経済的理由から単独で生活するよりも家族と同居することで生活費を抑えれる

 

【単独世帯率と合計特殊出生率 107ヵ国のデータ】

  調査年 単独世帯率 合計特殊出生率
Afghanistan 2015 0.2% 5.41
Iraq 2018 1.0% 3.66
Pakistan 2013 1.1% 3.8
Somalia 2011 1.5% 6.4
Sudan 2014 1.6% 5.2
Algeria 2018 1.6% 3.02
Yemen 2013 1.9% 4.4
Uzbekistan 2019 2.3% 2.79
Syrian 2006 2.4% 3.78
Bangladesh 2019 2.9% 2.03
Tajikistan 2017 2.9% 3.8
Mali 2018 3.1% 6.18
South Sudan 2010 3.2% 2.37
Niger 2012 3.2% 7.39
Cambodia 2014 3.4% 2.7
Guatemala 2015 4.3% 2.93
Nepal 2019 4.5% 2.08
Guinea 2021 5.1% 4.4
India 2020 5.1% 2.2
Myanmar 2016 5.4% 2.17
Chad 2019 5.4% 6.41
Tunisia 2018 6.3% 2.17
Ethiopia 2019 6.4% 4.1
Egypt 2014 6.5% 3.5
Qatar 2012 7.0% 1.97
Indonesia 2017 7.1% 2.26
Madagascar 2018 7.1% 4.04
Malaysia 2000 7.1% 3
Mexico 2015 7.4% 2.23
Congo 2017 7.6% 5.96
Venezuela 2001 7.6% 2.78
Rwanda 2020 7.7% 3.87
Zambia 2018 8.0% 4.4
Mozambique 2018 8.4% 4.85
El Salvador 2014 8.5% 2.13
Iran 2016 8.5% 2.05
Mongolia 2018 9.0% 2.92
Philippines 2017 9.2% 2.87
Tanzania 2015 9.6% 5.1
Benin 2018 9.8% 5.1
Albania 2017 10.0% 1.49
Honduras 2019 10.4% 2.5
Paraguay 2016 10.4% 2.62
Viet Nam 2020 10.5% 1.9
Oman 2003 10.6% 3.7
Angola 2016 10.8% 5.7
Colombia 2015 11.1% 1.98
Brazil 2010 12.0% 1.9
Liberia 2019 12.0% 4.5
Costa Rica 2018 12.1% 1.71
Ecuador 2010 12.1% 2.69
Kyrgyzstan 2018 12.3% 2.75
Zimbabwe 2019 12.9% 3.6
Uganda 2019 13.2% 4.81
Nigeria 2018 14.7% 5.45
Georgia 2018 15.0% 2.11
Armenia 2016 15.2% 1.74
Cameroon 2018 15.3% 4.69
Kazakhstan 2015 15.5% 2.74
Singapore 2020 16.1% 1.1
Peru 2017 16.8% 2.3
Türkiye 2019 16.9% 1.88
Namibia 2013 17.5% 3.6
Uruguay 2012 17.6% 2.03
Portugal 2011 18.9% 1.35
Kenya 2020 19.4% 3.4
Israel 2019 19.9% 2.95
Dominica 2019 20.1% 2.3
Chile 2017 20.2% 1.6
Bolivia 2012 20.3% 3.09
Poland 2011 20.7% 1.34
Slovakia 2011 20.8% 1.39
Romania 2011 20.9% 1.29
Cuba 2019 21.1% 1.63
Ghana 2019 21.5% 3.68
Thailand 2019 21.6% 1.5
Serbia 2019 21.8% 1.43
New Zealand 2018 21.9% 1.88
Argentina 2019 22.8% 1.81
Hungary 2011 23.6% 1.23
South Africa 2016 23.8% 2.6
Croatia 2011 24.6% 1.5
Ukraine 2012 25.0% 1.5
China 2021 25.0% 1.16
Jamaica 2015 25.2% 1.59
Spain 2019 25.7% 1.3
Greece 2011 27.5% 1.5
Ireland 2019 27.6% 1.7
Canada 2016 28.2% 1.59
USA 2019 28.4% 1.6
Bulgaria 2011 30.5% 1.51
Belgium 2011 30.9% 1.81
UK 2023 32.0% 1.49
Italy 2019 32.6% 1.3
Slovenia 2018 32.6% 1.6
Japan 2023 34.0% 1.2
Korea 2023 34.0% 0.76
France 2015 35.5% 1.65
Switzerland 2019 36.0% 1.48
Austria 2019 37.5% 1.46
Netherlands 2019 38.3% 1.6
Denmark 2020 38.5% 1.6
Norway 2019 38.9% 1.53
Sweden 2019 39.7% 1.7
Latvia 2011 41.1% 1.7
Germany 2019 42.3% 1.54
Finland 2019 44.7% 1.3

SNS型投資詐欺の平均被害額(1件当たり)は2024年5月が過去最高で1,770万円

SNS型投資詐欺の被害額平均(1人当たり)
  平均被害額
2023/3 10,217,391
2023/4 10,288,462
2023/5 8,490,566
2023/6 16,583,333
2023/7 11,029,412
2023/8 9,502,075
2023/9 13,345,455
2023/10 13,412,162
2023/11 12,105,263
2023/12 14,363,144
2024/1 11,330,869
2024/2 11,908,549
2024/3 13,150,134
2024/4 14,245,050
2024/5 17,759,259

 

SNS型投資詐欺 令和5年1月から令和6年5月までの被害発生状況の推移

警察庁が2024年1月~5月のSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺についてまとめた報告書からの引用になります。

https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/souni/sns-romance/sns-touroma2024.pdf

 

SNS型投資詐欺の被害額(月間)の過去最多は2024年4月の115億円でした。

被害額と認知件数から計算することで、1件当たりの被害額が算出されますが、最新データの2024年5月が1件当たりの被害額が1,770万円と過去最多になっています。

 

SNS型投資詐欺の1件当たりの被害額は、特殊詐欺の7.4倍】

被害額平均(1件当たり) SNS型投資詐欺と特殊詐欺
  1件当たり被害額
SNS型投資詐欺 17,759,259円
特殊詐欺 2,377,351円

 

警察庁の統計による特殊詐欺2023年の被害額は441.2億円で件数は19,033件で1件あたりは237万円となります。SNS型投資詐欺の被害額は7.4倍にもなる計算になります。

 

 

【過去の巨額投資詐欺とSNS型投資詐欺の1件当たりの被害額を比較】

過去の巨額投資詐欺の1件当たりの被害額の比較
  1件当たりの被害額
ジャパンライフ 21,000,000
SNS型投資詐欺 17,759,259
安愚楽牧場 5,753,425
円天 4,520,000
ケフィア 3,333,333

 

SNS型投資詐欺の1件当たり被害額が高額ではあるが、2020年に発覚したジャパンライフという年利6%の健康器具投資を謳った詐欺は、1件当たりの被害額が2,100万円と多くそれよりは低いので、「投資」と考えるとあり得ない金額ではないように思えます。

 

 

SNS型投資詐欺の本拠地は東南アジアの中国人グループ】

SNS型投資詐欺を日本の警察が抑制できてない理由は、詐欺活動の拠点が海外で中国人グループであり、日本の警察は中国の警察と連携が取れないからです。

2024年以降にSNS型投資詐欺で日本国内で逮捕されているのは、「受け子」か「銀行口座の名義貸し」という組織の末端の中国語で「打黒工」と呼ばれる中国版闇バイトです。

news.tv-asahi.co.jp

newsdig.tbs.co.jp

 

SNS型投資詐欺で騙された方の共通点は、相手が良い人だと思っていた】

先日、SNS型投資詐欺の講演で元刑事の佐々木成三 - Wikipediaのお話しを聞いた中で、被害者の共通点は「相手を良い人だと思い全く疑いもしなかった」ということでした。

1件当たりの被害金額を見ても、平均で1700万円というのは、相手を1mmも疑わないから起きる現象なのでしょう。

詐欺師側が相手を疑わせない手法として活用しているのが、著名人のなりすましです。

 

 

警察庁は携帯ショップで注意奮起

 

 

SNS型投資詐欺の被害者の年齢層は75%が50歳以上になります。

若い年代の人の方がITリテラシーが高いのか、ネット上で相手を疑う力を持っているのかもしれません。

 

 

【巨額詐欺事件ジャパンライフの被害者の年齢層】

ジャパンライフの被害者年齢層

内閣府の資料でジャパンライフの被害者160人の統計が上記のように、93%が50歳以上でした。投資詐欺で1件当たりが高額になるのは被害者が高齢者の場合なのでしょう。

 

引用

https://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2018/284/doc/20180831_shiryou1_2.pdf

 

 

アメリカでのSNS型投資詐欺の1件当たりの被害額は1,700万円】

FBI(米連邦捜査局)の報告によると、アメリカでの投資詐欺全般の被害状況について以下のことがわかっています。
・2023年の投資詐欺による被害総額は45億7000万ドル(約6800億円)
・2023年の投資詐欺の報告件数は約4万件

1件当たりの被害額を計算すると1,700万円になり、日本のSNS型投資詐欺の被害額と同額になります。

米、投資詐欺に引っ掛かりやすいのはベビーブーム世代よりもミレニアル世代やZ世代 —— 最新報告 | Business Insider Japan

在日ベトナム人の刑法犯検挙件数と在留人数は2023年が過去最多なのは違法ギャンブルが原因

在日ベトナム人 刑法犯検挙件数と在留人数
青棒=在留人数 赤線=検挙件数

日本に来日される外国人労働者が増加している中で、ベトナム国籍の犯罪がニュースで多くなっているので調べてみました。

 

  在留人数 検挙件数
2017年 262,405 3,591 1.37%
2018年 330,835 2,993 0.90%
2019年 411,968 3,021 0.73%
2020年 448,053 2,931 0.65%
2021年 432,934 3,539 0.82%
2022年 489,312 3,579 0.73%
2023年 565,026 4,082 0.72%

 

日本に在留しているベトナム人は、2017年から2023年の6年間で2.1倍になっています。2023年のベトナム人の刑法犯検挙件数は4082件で過去最多。在留ベトナム人が565000人と2023年が過去最多人数なのもあり、犯罪数が増加し続けており2023年外国人犯罪の内でベトナム人が40.7%を占めると警察庁による発表がありました。

次に多い国籍は中国人で19.2%で、外国人の刑法犯は、ベトナムと中国で60%を占めることになります。

 

令和5年警察庁資料

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/kikakubunseki/r5jousei20240408.pdf

 

 

【外国人の刑法犯検挙件数を国別で在留人数あたりで比較】

外国人の刑法犯検挙件数÷在留人数

2023年の日本の外国人の刑法犯検挙件数で「年間検挙件数÷在留人数」で多い順が「ベトナム(0.72%)」「中国(0.23%)」「ブラジル(0.22%)」「フィリピン(0.13%)」「韓国(0.07%)」で、検挙件数を在留人数で割って比較すると、ベトナムの検挙件数だけが他国よりも3倍以上多いのが分かります。

 

何故ベトナム人だけ犯罪が多いのかを調べてたところ、在日ベトナム人のコミュニティーで違法ギャンブルが横行しているからだそうです。

 

www.sankei.com

www3.nhk.or.jp

ベトナム人コミュニティーのが違法ギャンブルにより犯罪が増える】

ベトナムの母国で借金をして日本に労働しに渡ってきて、違法ギャンブルに誘われて借金が数百万円になり、パスポートと在留証明を胴元に取られて、勤め先から失踪して犯罪しか最後の手段が残されてないという状況が多いようです。

 

ベトナムから日本に送り出す側には少なからず違法ギャンブルの胴元に関係する業者がいるのでしょう。2023年に1年間で在留外国人が最も増加した国はベトナムでした。

 

令和5年末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁

 

ベトナムから日本に労働にくる理由として「違法ギャンブルで一発逆転」という一か八かで日本に渡ってくる人も少なくはないはずです。負けたら失踪して犯罪に手を出せばいいというのは日本の治安としてどうにか対策をして欲しいところです。

 

 

【追記:在留ベトナム人によるSNS犯罪防止ボランティアが2024年7月に発足】

mainichi.jp

この記事にある「ボドイ」というのが日本で犯罪行為をするベトナム人組織の名前だそうで、ベトナム語で「兵士」という意味だそうです。

オーバーステイ在留カードを持たずに法律を無視して生き延びていく様が「兵士」のようだということです。

日本の「不寛容」は世界で2位(146ヵ国)国連調査 自己責任論が日本は強い為か

日本の「寛容さ」ワースト順位 国連調査141ヵ国

2012年から国連が140ヵ国以上を調査する「世界幸福度調査」の内、6種類ある幸福度に寄与するもの中で「寛大さ」という項目が日本が2021年と2022年に149ヵ国中でワースト2位でした。

寛大さ(Generosity)を下位から数えた順位

2013 34
2015 19
2016 21
2017 26
2018年 22
2019年 14
2020年 3
2021年 2
2022年 2
2023年 3
2024年 4

 

「寛大さ」は「過去1か月の間にチャリティなどに寄付をしたことがあるか」「見知らぬ他人を助けたことがあるか」「ボランティアをしたことがあるか」などを聞き取り調査の方法で点数化したものです。グラフを見ると新型コロナが始まる前まではワースト20位だったのが2020年に3位に「寛大さ」が減少したように思えます。

 

世界幸福度報告 - Wikipedia

World Happiness Report 2024 | The World Happiness Report

 

2024年の「寛大さ」ランキングで、BEST5とWORST5は下記のようになります。

BEST1 ミャンマー
2 インドネシア
3 ガンビア
4 ウクライナ
5

タイ

 

WORST1 ジョージア
2 ボツワナ
3 ギリシャ
4 日本
5 チュニジア

 

 

【人助けランキング、日本は大差で世界最下位】

news.yahoo.co.jp

「チャリティーズ・エイド・ファンデーション(CAF)」というチャリティー機関が2009年の金融危機後に行っている「世界人助指数」で日本は2021年はワースト1位/114ヵ国中でした。前述の国連の幸福度調査はもしかしたら、このチャリティー機関のデータを使用しているのかもしれません。

 

① 見知らぬ人を過去1ヶ月で誰かを助けたか?  日本 最下位114位 12%
② 過去1ヶ月で慈善団体に寄付をしたか?  107位/114国 12%

 

2021年の世界人助指数のレポートを見ますと、「過去1ヶ月に寄付・見知らぬ人を助けた」が12%となっています。12%という数字が世界では最下位になり、上位の国ではどちらの質問でも80%という数字になります。

 

寄付を過去1ヶ月でしたことがある人の割合

 

 

内閣府調査 国民全体の利益よりも個人の利益を重視するパーセンテージ】

「個人の利益」が「国民全体の利益」より優先と答えた人の割合 内閣府調査

内閣府が行っている世論調査で、「国民全体の利益か個人の利益か」という問いに対する答えで「個人」と答えた人の割合が過去最高になっております。世界幸福度の「寛大さ」で他者を助けたり寄付をするというのは、「同じ国民として共感する」という意識が強いからなのでしょう。「共感」する範囲が昔は「日本人」という大きい枠組みだったのが、生存競争が激化することで共感できる範囲が「世帯」と小さくなったのではないでしょうか。

社会意識に関する世論調査(令和5年11月調査) | 世論調査 | 内閣府

 

「個人の利益」>「国民の利益」と答えた人の割合の年度推移

1993年 24.0%
1994年 23.5%
1995年 23.4%
1996年 31.3%
1997年 31.5%
1998年 30.6%
1999年 31.2%
2000年 29.9%
2001年 28.4%
2002年 30.0%
2003年 32.0%
2004年 32.5%
2005年 30.9%
2006年 29.7%
2007年 31.6%
2008年 27.8%
2009年 28.3%
2010年 27.4%
2011年 27.8%
2012年 28.2%
2013年 31.0%
2014年 31.4%
2015年 33.9%
2016年 32.6%
2017年 32.7%
2018年 36.2%
2019年 34.0%
2020年 35.2%
2021年 37.0%
2022年 38.6%
2023年 39.6%

 

【世界価値観調査で日本人の寛容さを比較】

世界価値観調査は社会学者が66ヵ国の価値観を調査したものです。

世界価値観調査 - Wikipedia

日本が、66ヵ国中で1位だったものを取り上げてみました。

 

 

質問:隣に住んでいる人を完全に信頼できますか?

完全に信頼できると答えた人は、66ヵ国平均は17.2%でしたが、日本は4%で一番低かった。

 

質問:慈善団体を信用してますか?

完全に信用できると答えた人は、66ヵ国平均は17.3%でしたが、日本は2.2%で一番低かった。

 

質問:人生の主な目標の 1 つは、両親に誇りを持ってもらうことですか?

強くそう思うと答えた人は、66ヵ国平均は48.5%でしたが、日本は5.3%で一番低かった。

 

質問:母親がお金のために働くと未就学の子供たちは苦しむ

強く同情すると答えた人は、66ヵ国平均は14.1%でしたが、日本は1%で一番低かった。

 

世界価値観調査では上記以外でも日本だけ66ヵ国平均と乖離しているのが多く見られました。

 

 

【自分の人生の責任は自分で取るべきと思う人は公助に参加しなくなる】

gendai.media

国連の幸福度調査、世界価値観調査から日本は不親切な国民であると発信している大学教授の書籍の中で、日本人が不親切なのは「自己責任論が強い」からとありました。

「自己責任論が強い」と「公助に参加しない」は正の相関があるということです。

 

日本人の「迷惑をかけたくない」や「自己責任論」がどこから来ているか考えたときに、江戸時代からの「家を継ぐ」という道徳観念が影響しているのではと思いました。

 

日本の封建時代における道徳観念のもとでは、不始末が生じた場合にその責任をみずから判断し、自分自身で処置する覚悟を示すことで、自身のみならず一族の名誉を保つという社会的意味があった

切腹 - Wikipedia

 

切腹で責任を取るという道徳観念は世界で日本だけなので、他国と道徳観で差がでるのかもしれません。