人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

女性の初婚件数が2024年(1~6月)は2019年(1~6月)より37%減少

女性の初婚数(上半期1月~6月) 2017年~2024年

人口動態調査の月報で、婚姻件数を男女の初婚・再婚別にした資料から、女性の初婚数の上半期(1~6月)の推移が上記のグラフになります。2019年上半期は女性の初婚件数は180,495件でしたが、2024年上半期は113,502件と37%の減少になっています。2024年上半期の女性の初婚数は、2023年上半期と比べても4.3%ダウンで、下げ止まってない状況です。初婚件数は、出生数の先行指数になりますので、この数字が回復しないと出生数の回復は難しいと思われます。

 

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【男性の初婚件数も2024年上半期は2019年から34%減少】

男性の初婚数(上半期1月~6月) 2017年~2024年

男性の初婚数も女性に似たように減少しています。

2019年上半期は169,220件の初婚数も2024上半期は111,227件と34%減少です。

 

 

【2024年1~6月の初婚数はまだ前年比割れ】

女性の初婚数2024年1月から6月の前年同月比

2024年1月から6月までを前年比で見ると、100%を大きく上回ったのは1月だけでした。2023年1月は、新型コロナ感染者数が過去最多となった月で婚姻数が少なかったのもあり2024年1月は前年比107%でした。2024年2月、3月、4月、6月と前年比で初婚数は95%以下なので、回復にはまだ遠いように見えます。

 

 

【女性の初婚率を1997年から長期間で比較】

「25歳~34歳日本人女性の初婚件数」÷ 「25歳~34歳日本人女性人口」 1997年~2024年

 

長期の年月で見た、初婚件数が最も多い5歳階級の2つ、25~34歳の初婚率をグラフにしました。25歳~34歳の初婚件数は、女性の全体の初婚の64%(2019年)を占めていて、この年齢層が1997年~2024年の間にどのように推移したかが上記のグラフになります。計算式は、「25~34歳日本人女性の初婚件数」÷「25~34歳日本人女性の人口」です。

1997年から2019年までは、4.0%~4.4%の範囲で推移して女性の大学進学率が上昇したり、正社員の就労率が増加していても、婚姻にはあまり影響してなかったように見えます。しかし2020年に新型コロナの影響により初婚の婚姻数が減少し、2024年6月の統計もまだ下げ止まってない状況です。1997年から様々な出来事があったなかで、女性の婚姻に一番大きく影響したのが新型コロナということになります。25~34歳女性の2019年の初婚率が4.1%だったのが、2024年は2.9%と30%下落してます。

 

 

【無配偶者の女性の初婚率】

無配偶者女性の初婚率(1000人当たり) 25~29歳、30~34歳 2000年~2020年

無配偶者の初婚率は、「5歳階級」「性別」「未婚者のうちの初婚率」を発表した数字で1000人当たりの初婚件数で、婚姻の状況をより正確に反映されたものになりますが、5年に一度の調査なので最新が2020年です。赤の線が30~34歳女性で、2000年から2015年までは横ばいでしたが、2020年に大きく低下しています。

下記は、女性の無配偶者の5歳階級の初婚率(1,000人当たり)の推移になります。20~24歳で結婚する女性が、2000年から2020年で半分になったのが分かります。

 

女性の年齢別の無配偶者初婚率(1,000人当たり)

  20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳
2000年 48 114 72 28 7
2005年 38 96 66 29 8
2010年 34 94 72 32 10
2015年 29 94 76 39 12
2020年 21 70 53 28 10

 

無配偶者の初婚率の資料からも、2015年から2020年の比較で、25~29歳で25%減少、30~34歳が30%減少となっています。