人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

日本の出生数はコロナ後も下げ止まらなく5年で20%喪失

日本の出生数(月次)の12ヶ月移動平均 2019年12月~2025年3月

コロナ前の2019年12月から2025年3月までに日本の月毎の出生数(黄色)と、12カ月移動平均出生数(赤い線)をグラフにしてみました。正確に政府統計で発表されている出生数は2025年6月4日時点では、2024年11月分までです。2024年12月から2025年3月までのは「速報値」という厚労省の発表値が出ているので、昨対から計算して推測値となっています。恐らく、2025年3月の出生数は月次では過去最少になると思われます。(2月の日数を31日計算して比較)

  出生数
2023年12月 62,754
2024年1月 54,624
2024年2月 51,884
2024年3月 52,470
2024年4月 56,563
2024年5月 59,144
2024年6月 55,313
2024年7月 62,306
2024年8月 60,698
2024年9月 58,059
2024年10月 60,213
2024年11月 54,917
2024年12月 60,382
2025年1月 52,219
2025年2月 48,477
2025年3月 50,969

社人研(厚生労働省)の出生数予測と実績

2023年発表出生数予測|国立社会保障・人口問題研究所

 

社人研が2023年に発表した出生数の「低位と中位と実績」をグラフにしました。2024年で既に「低位」を下回って、2025年の1月から3月の速報値を計算すると「低位」より大きく下回ります。社人研の予測は2023年からで2021年と2022年は実数を見て発表していることになり、僅か1年で予測を下回る出生数になっています。(2024年と2025年実績は推測値)

  出生数 低位 出生数 実績
2021年 743,128 811,622
2022年 703,150 770,759
2023年 678,278 727,288
2024年 689,743 686,573
2025年 680,848 655,023

 

社人研の出生数予測と実績 2011年~2025年

社人研では5年間隔で人口予測をしています。上のグラフのように今までは出生数が大きく外れことなくきていました。社人研ではコロナ後は出生数が横ばい若しくは回復すると予測しています。

 

【韓国と台湾はコロナ後に出生数が下げ止まる】

日本・韓国・台湾の出生数月次 2019年12月~2025年3月

日本、韓国、台湾の12ヶ月移動平均出生数を2019年12月を100%とし、2025年3月までをグラフで比較しました。2024年1月のコロナ後は、韓国は出生数が回復、台湾も出生数が下げ止まった形になって、日本はコロナ後という要素がなかったかのように出生数は減少してい2019年12月と比較して79%と5年で20%以上の出生数を喪失しています。

 

【タイ・モンゴル・マレーシアの出生数は減少】

日本・タイ・モンゴル・マレーシアの出生数月次 2019年12月~2025年3月

日本、タイ、モンゴル・マレーシアの12ヶ月移動平均出生数を2019年12月を100%とし、2025年3月までをグラフで比較しました。モンゴル・タイの出生数はコロナ前と比較して73%と僅か5年で25%以上喪失しています。タイ・モンゴル・マレーシアのグラフを見ると共通して2023年に一度回復に向かったがその後に大きく減少しています。2度目の減少は中国経済の低迷が影響している可能性もあり、中国経済が原因とすると今後も減少は続く可能性があります。

モンゴル政府の月次の出生数 : Статистикийн мэдээллийн нэгдсэн сан

 

【韓国と日本の婚姻数の12ヶ月移動平均 コロナ前後】

日本・韓国の婚姻数の月次 2020年1月~2025年2月

2019年1月~2019年12月の婚姻数の平均を100%として2025年2月までの日本と韓国の婚姻数の12ヶ月移動平均を比較すると、韓国はコロナが終わった2024年3月以降に大きく上昇して、婚姻数はコロナ前の95%にまで回復しています。日本は2023年1月から横ばいで、婚姻数はコロナ前と比較して80%と出生数と同じく20%の喪失となっています。

 

【日本の女性40歳未満の初婚数はコロナ後に33%減少

日本の女性40歳未満の初婚数の月次 2019年12月~2024年11月

妻「初婚 40歳未満」での婚姻に絞った統計を比較すると、12ヶ月移動平均の婚姻数はコロナ前と後で33%減少しています。ここの数値が回復しないと、出生数の回復は難しいように思う。