
| 韓国 | 台湾 | タイ | |
| 2015年 | 1.239 | 1.18 | 1.45 |
| 2016年 | 1.172 | 1.17 | 1.39 |
| 2017年 | 1.052 | 1.13 | 1.38 |
| 2018年 | 0.977 | 1.06 | 1.36 |
| 2019年 | 0.918 | 1.05 | 1.25 |
| 2020年 | 0.837 | 0.99 | 1.18 |
| 2021年 | 0.808 | 0.98 | 1.16 |
| 2022年 | 0.778 | 0.87 | 1.07 |
| 2023年 | 0.721 | 0.86 | 1.05 |
| 2024年 | 0.75 | 0.89 | 0.95 |
| 2025年 | 0.81 | 0.82 | 0.86 |
2025年時点で、合計特殊出生率が0.9未満の国は「韓国」「台湾」「タイ」の3ヶ国になります。2025年の数値は2025年1~3月からの予測値になります。ウクライナは2025年時点で0.9未満の可能性がありますが戦争中でデータがないので3ヶ国の合計特殊出生率の推移を比較してみました。
人口論では、国家としての将来の合計特殊出生率を計算する際にベイズ事前分布で「Minimum TFR」という底値を設定する必要があるようです。国連では2014年から0.9が底値と設定され人口予測がされています。Wolfgang Lutz(オーストリア)という人口論学者がIIASA世界人口予測モデルを開発した際に合計特殊出生率の底値は社会的に制度的に0.9であるとし、これが多数派となっています。

国連の2024年時点の2100年までの日本の合計特殊出生率を見ますと、やはり0.9以下にはならないようになっています。合計特殊出生率の底値を0.9にしたのは2005年の論文で、理由は「0.9以下の国は観測されてない」というのが根拠のようです。20年前に底値が0.9とした計算方法が未だに国連で使用されていることに疑問を抱く人が増えているようです。
【日本の社人研の合計特殊出生率(低位)の底値】

日本の社人研が2023年に発表した、2020年から2070年までの合計特殊出生率の低位をグラフにしました。2047年に1.0653に到達した以降は下がらない予測、つまり日本の社人研は1.065が底値と考えているのでしょう。
https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_Report3.pdf
【2005年の日本の人口減少の論文】

国立長寿医療センターの論文では、「日本の人口減少や合計特殊出生率には底値が存在する。その値で安定する」と書かれています。恐らく20年前は世界中で合計特殊出生率の底値は存在してそれが最悪でも0.9くらいだろうと思われていたのでしょう。

前回の記事で社人研の出生数の低位予測よりも実績が下回ることについて触れましたが、恐らく合計特殊出生率の底値が1.065以下にはならないモデル計算のために誤差が生じているのではないでしょうか。2024年の日本の合計特殊出生率は、1.15です。出生数が毎年5%ずつ減少すれば、1.065は早ければ2026年に到達してしまう可能性はあります。国連が底値に設定した0.9も、日本の1.15からは早ければ2029年に到達する可能性があります。日本だけでなく、下記の国は5年以内に合計特殊出生率が0.9以下になる可能性はあります。
【0.9~1.0】
【1.0~1.1】
エストニア ラトビア リトアニア コスタリカ チリ 中国 ポーランド ベラルーシ
【1.1~1.2】
日本 イタリア スペイン アルゼンチン ギリシャ ウルグアイ

1993年から2023年の変化で、出生数が5大陸でどれだけ変化したかの世界地図になります。大陸の区分けは国連のデータに基づいて出生数を計算してます。
| アフリカ | アジア | ヨーロッパ | 南アメリカ | 北アメリカ | |
| 1993年 | 28,346,966 | 82,282,280 | 8,106,493 | 11,979,477 | 4,364,745 |
| 2023年 | 46,063,892 | 65,645,040 | 6,337,695 | 9,354,810 | 4,015,559 |
| 変化率 | 163% | 80% | 78% | 78% | 92% |
この表を記述したのは、「アジア」「ヨーロッパ」「南アメリカ」の3つの大陸では出生数の減少が同じ速度で起きていることを示すためです。各国ごとでは異なっていても、アフリカと移民が多い北アメリカを除くと、同じスピードで出生数が減少しているのが分かります。説としては地域が異なってもネットの発達などにより文化が似通ってきて、出生率の低下が同じように起きているということです。