人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

「結婚までの同棲期間が6ヶ月以上」は2023年婚姻届の32.7%

婚姻届で「同棲を始めて結婚まで」が6ヶ月以上の割合(1983年~2023年)

婚姻届には、「同居をはじめたとき」の年月を記入する欄があります。人口動態調査婚姻表では、「結婚生活に入ったときから婚姻届出までの期間別にみた年次別婚姻件数百分率」というファイルがあります。同棲という言葉には定義がないのですが、「同居を始めたとき」から「婚姻届けを出したとき」が6ヶ月以上だった夫婦の割合をグラフにしました。1983年から2001年までは7%から8%で横ばいでしたが、ミレニアム婚を境に2001年から「6ヶ月以上同棲して結婚する割合」が増加して2013年には16.1%になりました。2013年から2023年の10年間で、16.1%から32.7%の2倍に増えてます。

  婚姻届で同居6ヶ月以上
1993年 7.5%
1998年 7.9%
2003年 10.4%
2008年 14.0%
2013年 16.1%
2018年 20.8%
2023年 32.7%

人口動態調査 確定数 婚姻 上巻 9-16 結婚生活に入ったときから婚姻届出までの期間別にみた年次別婚姻件数百分率 年次 2023年 | 政府統計の総合窓口

 

婚姻届で「同棲から結婚まで」1ヵ月未満の割合(1983年~2023年)

婚姻届で「同棲から結婚まで」が1年以上の割合(1983年~2023年)

同棲を始めて婚姻届けを出すまでの期間で、2020年以降最も増加しているのが「同居が1年以上」の結婚です。2013年は全婚姻の内で「同居1年以上」が占める割合は10.1%でしたが、2023年では21.5%と僅か10年で2倍になっています。2020年以降に婚姻率が低下したのと関係しているように見えます。

(2003年~2023年の婚姻届の同棲期間の割合の推移)

  2003年 2013年 2023年
1ヶ月未満 74.6% 68.3% 50.7%
1~3ヶ月 10.6% 9.8% 8.9%
3~6ヶ月 4.5% 5.9% 7.6%
6~12ヶ月 4.1% 6.0% 11.2%
1年以上 6.3% 10.1% 21.5%

婚姻届(2023年)の同棲期間の割合 (母数:474,741組)

他の国と比較しようと思ったのですが、婚姻届けに「いつから同居したか」を書かなければならない国は日本だけのようで比較ができませんでした。同棲が日本で2001年以降に増加したのは、先に西ドイツで1991年から1997年の6年間で同棲が36.6%増加したという論文があり、日本だけが増加したのではないのが分かります。

 

【同棲率の統計】

25~29歳男性未婚 非親族の男女の同棲率 (国勢調査より総務省統計研修所)

25~29歳女性未婚 非親族の男女の同棲率 (国勢調査より総務省統計研修所)

「同棲」という言葉は定義が曖昧で統計データでは使用されない言葉です。調べてた時に「総務省統計研修所」が2000年、2005年、2010年だけ5歳階級別の「非親族の男女の同居数」というデータがあったので、それを元に計算して2000年~2010年の男女別の25~29歳の未婚者の同棲率をグラフにしました。同棲率は2000年が男性が1.1%、女性が1.5%ですが2010年には男性が2.4%、女性3.3%と倍増しております。

(総務省統計研修所 非親族の男女の同居)

https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11673929/www.stat.go.jp/training/2kenkyu/pdf/zuhyou/sanko361.pdf

 

【25~29歳未婚男性 同棲者数と同棲率】

  同棲者数 未婚者数 同棲率
2000年 38,582 3,443,015 1.12%
2005年 54,625 2,932,979 1.86%
2010年 61,284 2,473,282 2.48%

 

【25~29歳未婚女性 同棲者数と同棲率】

  同棲者数 未婚者数 同棲率
2000年 40,321 2,603,571 1.55%
2005年 57,693 2,356,389 2.45%
2010年 69,104 2,059,819 3.35%

ここまで調べたときに、気づいたのが「同棲が増えたのではなく、同棲が認知されて公表しやすくなった」のではという考えです。上記のデータも国勢調査が元になっていて、国勢調査で「同棲しています」と答えにくかった社会が変容した結果なのではないでしょうか。

 

【同居6ヶ月以上で結婚に至る確率は2010年で45%】

少し誤差が多い計算になりますが、同棲期間が6ヶ月以上でどれくらいが結婚に至るかを計算しました。(※総務省統計研修所の非親族の男女の同居を6ヶ月以上と仮定した場合)

2010年 25~29歳男性

(a) 同棲者数 61,284
(b) 婚姻数(25~29歳男性) 184,591
(c) (b)で同居6ヶ月以上の割合 15%
(d)=(c)*(b) 婚姻数で同居6ヶ月以上 27,689
(d)÷(a) 同居6ヶ月で結婚に至る率 45%

 

2010年 25~29歳女性

(a) 同棲者数 69,104
(b) 婚姻数(25~29歳女性) 212,012
(c) (b)で同居6ヶ月以上の割合 15%
(d)=(c)*(b) 婚姻数で同居6ヶ月以上 31,802
(d)÷(a) 同居6ヶ月で結婚に至る率 46%

 

2010年 30~34歳女性

(a) 同棲者数 42,013
(b) 婚姻数(30~34歳女性) 114,827
(c) (b)で同居6ヶ月以上の割合 15%
(d)=(c)*(b) 婚姻数で同居6ヶ月以上 17,224
(d)÷(a) 同居6ヶ月で結婚に至る率 41%

 

同棲期間と結婚についての正確な統計が得にくいのは、同棲というものがオープンにしにくい性質を持ったものだから仕方ないのですが、少子化対策をしていくにあたり重要な要素だと思います。