人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

在留外国人の増加が多い県は最低賃金が高い(2024年)

2024年の道府県別の外国人増加人数と最低賃金

2024年の在留外国人の1年間の純増を都道府県別にして、最低賃金と比較した散布図になります。相関は「0.86」となりました。グラフは見た目上、東京都は除外してますので46道府県になります。最低賃金が高い県ほど、外国人労働者の獲得に有利なのではという説が本当かどうか調べた結果になります。各県の最低賃金は2024年10月に制定されたものを用いてます。在留外国人は47都道府県の全てで2024年12月時点が過去最多となっております。

令和6年末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁

 

  最低賃金 2024年純増
東京都 1,163 75,584
神奈川県 1,162 24,927
大阪府 1,114 32,074
埼玉県 1,078 27,684
愛知県 1,077 20,888
千葉県 1,076 27,523
京都府 1,058 8,096
兵庫県 1,052 10,920
静岡県 1,034 8,639
三重県 1,023 4,384
広島県 1,020 5,474
滋賀県 1,017 2,217
北海道 1,010 10,999
茨城県 1,005 10,855
栃木県 1,004 5,910
岐阜県 1,001 5,273
富山県 998 1,854
長野県 998 3,775
福岡県 992 13,464
山梨県 988 2,189
奈良県 986 1,643
新潟県 985 2,725
群馬県 985 9,276
石川県 984 1,744
福井県 984 2,303
岡山県 982 2,958
和歌山県 980 1,054
徳島県 980 958
山口県 979 1,959
宮城県 973 2,869
香川県 970 2,295
島根県 962 739
鳥取県 957 464
愛媛県 956 2,303
佐賀県 956 1,594
山形県 955 1,209
福島県 954 1,952
大分県 954 2,222
青森県 953 806
長崎県 953 2,102
鹿児島県 953 2,555
岩手県 952 1,193
高知県 952 719
熊本県 952 3,796
宮崎県 952 1,759
沖縄県 952 3,937
秋田県 951 571

 

高知県ベトナムとインドに日本語学校を開設】

地方都市では人口減少の解消のために外国人労働者の獲得を目指している中で、県が国を越えて直接現地に日本語学校を設立して、自分の県で就労してもらえるようにしているようです。高知県では2024年に、ベトナムに1カ所、インドに3カ所、日本語学校を開設しました。高知県外国人労働者として就労してもらっても、最低賃金が高い県に移動しないように愛着を持ってもらうよう「土佐弁」を教えているようです。また、朝日新聞の記事では高知県では最低賃金が低いので外国人労働者と契約の際に別途で現金30万円を追加するということもしているということです。

https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/2024040100108/file_contents/file_2025317113930_1.pdf

 

福井県でも2024年にミャンマー日本語学校に「福井クラス」という科目を設立して福井県に就労して貰えるよう外国人労働者の受け入れ促進をしています。

 

【円安と最低賃金外国人労働者

5年前より日本は円安が20~30%進んだことによって、外国人労働者として日本を選ぶメリットが減ってきたので、外国人労働者の受入数が減らないように最低賃金を精一杯上げた可能性もあります。47都道府県の最低賃金は国ではなく、各都道府県が決めることができます。 

 

【外国人送り出し国の円安比較】

2024年に全国で在留外国人の純増が一番多かったのはベトナムで、「円/ドン」の為替は上記のグラフのように5年間で22%減っています。下記の表は2024年に純増が多かった国の為替変動を5年前と比較したものです。ミャンマーでは政局不安でインフレにより2024年に通貨暴落しました。その影響なのかミャンマーからの外国人労働者の純増は前年比で1.5倍以上になっています。

  2024年純増 5年為替変動
ベトナム 69,335 -22%
ネパール 56,707 -17%
中国 51,448 -25%
インドネシア 50,723 -26%
ミャンマー 48,028 +70%