人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

人口密度(1kmメッシュ)の推移で中間層の人口割合は変動してない(2005年~2020年)

1kmメッシュ人口密度2005年~2020年の人口割合の推移

国勢調査を元に、1kmメッシュ(1km四方)の人口密度のデータを区分けしてみました。日本の国土は378,000平方キロメートルあり、それを1km平方キロメートルで区切った場合、1人以上の常住者がいるメッシュは176,962個で国土面積の約46.8%です。この可住地の人口密度を「15,000人以上」「7,000~14,999」「1,500~6,999」「1~1,499」の4つに区分けすると、2005年~2020年では中間層の「7,000~14,999」「1,500~6,999」の日本人口に占める割合は、ほとんど変わってないというのが上記のグラフになります。

人口集中や過疎が起きているのは、人口密度が「15,000人以上」の部分と「1~1,499人」の部分で、高人口密度が増加して低人口密度が減少しているのが今回調べてみて分かりました。

人口密度 2005年 2010年 2015年 2020年
15,000以上 8.8% 10.0% 11.0% 12.6%
7,000~14,999 25.9% 25.8% 25.8% 25.4%
1,500~6,999 40.2% 40.1% 40.1% 39.9%
1~1,499 25.0% 24.1% 23.1% 22.1%

統計地理情報システムデータダウンロード | 政府統計の総合窓口

 

【1kmメッシュで15,000人以上の地域】

1kmメッシュで人口密度が 15,000人以上 という地域は、かなり高密度な居住地域です。人が1人以上住む1kmメッシュの全国で0.5%(2020年)しかありません。
1km四方の中に1万5000人以上が住んでいるため、戸建て住宅だけでこの密度になることは少なく、マンション、団地、集合住宅、狭小住宅などが密集している地域が中心になります。東京23区の住宅密集地、大阪市周辺の市街地、川崎・横浜・さいたま・千葉・福岡などの駅周辺、あるいは大規模マンションや団地が集中している地域です。

 

【1kmメッシュで1~1,499人の地域】

1kmメッシュで人口密度が 1~1,499人 の地域は、一見すると「人がまばらに住んでいる地域」と見えますが、1km四方の中に 森、山、農地、河川、海岸、公園、ゴルフ場、工場、学校、大規模施設 などが含まれている地域が多くあります。人が1人以上住む1kmメッシュの全国で89.1%(2020年)と大部分を占めます。そもそも人が住める宅地面積が少ないため、1km四方全体で割ると人口密度が低く出る というケースがかなりあります。

参考:令和2年 国勢調査に関する地域メッシ ュ統計地図

https://www.stat.go.jp/data/mesh/pdf/r2sousu.pdf

 

1kmメッシュ人口密度を4区分した際の面積割合の推移(2005年~2020年)

1kmメッシュで1人以上住む人がいる面積を「15,000人以上」「7,000~14,999」「1,500~6,999」「1~1,499」で4区分で見ると、2005年から2020年でほとんど面積は変わってなく、「人口密度15,000人以上」の地域が1.4倍になっています。

人口密度 2005年 2010年 2015年 2020年
15,000以上 0.3% 0.4% 0.4% 0.5%
7,000~14,999 1.8% 1.8% 1.8% 1.8%
1,500~6,999 8.6% 8.6% 8.6% 8.6%
1~1,499 89.2% 89.1% 89.1% 89.1%

 

韓国と日本の1kmメッシュ人口密度の4分類の人口割合

韓国政府の統計から日本と同じように1kmメッシュの人口割合を比較してみました。韓国の方が人口密度15,000以上に住む人口割合が41.6%と日本の3.5倍も多くなっています。人が1人でも住んでいるメッシュの可住地面積が日本の方が2.3倍面積が大きいので分散できている要因もありますが、韓国の方が人口密度が高いところに人が集中しているのが分かります。

韓国人口密度    
1~1499 6,176,842 11.9%
1500~6999 9,093,928 17.6%
7000~14999 14,987,465 28.9%
15000以上 21,547,312 41.6%

 

参照:韓国SGIS 格子統計

https://www.data.go.kr/data/15141768/fileData.do

転出超過率ランキング都道府県2026年3月(20~24歳)21県が過去最多

2026年3月の20~24歳日本人の都道府県別転出超過率で過去最多だった県

2026年3月の住民基本台帳移動報告で、日本人20~24歳の都道府県別の転出超過人数を対象都道府県年齢(20~24歳)人口で割った値を2014年(統計開始)以来で、過去最多となったのが21県ありました。3月は1年で最も移動が多い月で、20~24歳は5歳階級人口で最も移動が多い年齢層なので、2014年以降の毎年3月の20~24歳の転出超過率を調べてみたところ、二極化が進んだ数字となっていました。(数値は記事最後に記載)

住民基本台帳人口移動報告 月報 3-3 年齢(5歳階級)、男女別転入超過数 | 政府統計の総合窓口

 

【2026年3月 20~24歳の転出超過率が過去最多だった県】

青森県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、新潟県、石川県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県、和歌山県、鳥取県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、大分県

 

【2026年3月 20~24歳の転入超過率が過去最多だった県】

埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府

 

【東京都の月別の転入超過数(20~24歳)】

東京都20~24歳の月別転入超過(2025年)

東京都を例にして転入超過がいつ(月)起きるかを示したグラフになります。20~24歳の日本人で2025年の月別の転入超過数で、3月が31,148人で他の月は2,000人前後なので毎年3月が飛びぬけて転入超過になっています。

 

【東京都の年齢別の転入超過】

東京都年齢別 転入超過(2025年)

東京都の2025年の転入超過を5歳階級で比較しますと、20~24歳が58,014人、30歳以上は転出超過になっていて、「3月」×「20~24歳」の転入・転出が都道府県の人口移動の主になっているが分かります。

 

20~24歳の転入超過率が「-3%以下」の都道府県ランキング(2026年3月)

2026年3月の転出超過率(20~24歳)で「-3%以下」だったのは7県でした。ランキングで上位から、高知県、青森県、秋田県、山形県、新潟県、鳥取県、徳島県です。高知県は2025年3月は「-3.04%」だったのが2026年3月は「-3.99%」と大きく変化してました。

 

20~24歳の転入超過の都道府県(2026年3月)

2026年3月に転入超過は、47都道府県で6都道府県でした。東京が4.23%と突出してますが2025年3月・2026年3月と2年連続で前年同月比では減少になっています。転入超過が2014年の統計開始以来で2026年3月が過去最多となったのが神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府です。東京都の家賃上昇の影響にも見えます。

 

20~24歳の都道府県の転出超過数の男女別(2026年3月)

2026年3月の都道府県の転出超過を男女別で比較すると、31県で女性の方が転出超過が多く、9県で男性の方が転出超過が多かったという結果でした。

 

【2025年3月→2026年3月の変化が大きかった県】

去年と比較して変化が転出超過率が大きくなった順は、高知県、福岡県、滋賀県でした。福岡県と滋賀県は20代が多く集まるイメージがあったので意外な結果に見えました。転入超過率で大きく増加した順は、愛知県と埼玉県でした。

 

【2026年3月の20~24歳(日本人)の転出超過率】

北海道    -1.27%
青森県    -3.98%
岩手県    -2.96%
宮城県    -1.10%
秋田県    -3.79%
山形県    -3.68%
福島県    -2.64%
茨城県    -1.46%
栃木県    -1.77%
群馬県    -2.64%
埼玉県    1.26%
千葉県    1.46%
東京都    4.23%
神奈川 2.45%
新潟県    -3.34%
富山県    -1.20%
石川県    -2.53%
福井県    -2.23%
山梨県    -2.61%
長野県    -2.16%
岐阜県    -1.94%
静岡県    -1.35%
愛知県    0.54%
三重県    -1.60%
滋賀県    -1.63%
京都府    -1.17%
大阪府    0.88%
兵庫県    -0.75%
奈良県    -2.21%
和歌山 -2.74%
鳥取県    -3.32%
島根県    -2.70%
岡山県    -1.42%
広島県    -1.48%
山口県    -2.87%
徳島県    -3.01%
香川県    -2.18%
愛媛県    -2.63%
高知県    -3.99%
福岡県    -0.48%
佐賀県    -1.79%
長崎県    -2.40%
熊本県    -1.64%
大分県    -2.33%
宮崎県    -2.91%
鹿児島 -2.13%
沖縄県    -1.37%

携帯スマホの電話の通話時間(平均・頻度)が減少している統計

携帯・スマホの通話時間(1日平均)

総務省の音声通信データを元にTCA(電気通信事業者協会)がまとめている 「テレコムデータブック」で1 加入(契約)1 日当りの通信時間の2010年から2023年の推移のグラフになります。2010年には199秒/日だったのが、2023年には86秒/日と半減以下になっています。

テレコムデータブック2025

https://www.tca.or.jp/databook/pdf/2025chapter_2j.pdf

 

電話の頻度(友人や非同居家族)2025年

2025年内閣府の統計で「電話での同居していない家族や友人たちとのコミュニケーション頻度」の年齢階級別のグラフになります。20~59歳で見ますと「電話をする頻度は全くない若しくは月1回未満」は40%以上になっています。

また「電話で友人等にすることは全くない」割合は20%となっています。60~69歳の電話の通話頻度がゼロでないのは非同居家族との連絡かと思われます。

令和7年人々のつながりに関する基礎調査 | 政府統計の総合窓口

 

SNSやメールの頻度(友人や非同居家族)2025年

同じ内閣府の統計で「SNSや電子メール 同居していない家族や友人たちとのコミュニケーション頻度」では、16~19歳では「週2回以上」が72%、20~29歳では「週2回以上」は59%、他の年代でも「週2回以上のSNS・メール頻度」は40%前後となっています。

 

友人と日常会話で最も多く使う手段

NTTドコモのデータから「友人と日常会話(身の回りの出来事・噂話・世間話)をする際に「最も多く使う」手段」の2014年から2025年を推移にしたグラフです。2014年は「テキスト:58%」「通話:33.4%」でしたが、2025年は「テキスト:76.5%」「通話:14.1%」と通話が半減以下になっています。電話による通話頻度が、テキストに置き換わっていった推移になります。

変化がないのは「直接会って伝える:9.4%」が2014年から2025年とあまり変化がないです。

【サービス】友人との日常会話で「最も多く使う手段」、テキストが約8割:10代の3割は「直接対面」(2025年5月26日) |レポート|NTTドコモ モバイル社会研究所

 

イギリス・スウェーデンの通話時間の推移

携帯・スマホの電話による通話時間が減少しているのは海外ではどうなのかを調べたのが、上記のイギリスとスウェーデンのグラフになります。2023年時点では10年前よりは電話時間は若干増えています。コロナ禍で海外では通話時間が増えていたようですが2023年にはもとに戻ったように見えます。日本とイギリスとスウェーデンを直接は比較するには計算方法の分母が契約数だったりSIM数だったり異なるので一概には言えないのですが、日本は2013年から2023年で電話の通話時間が40%以上減少しています。

 

上記のグラフは、LINEの日本、台湾、タイの一人当たりの月間平均メッセージ数の比較になります。台湾が1位でタイが2位で日本が3位です。

このブログは人口減少や出生率について書いているのですが、2025年の合計特殊出生率で世界で低い順でいうと、1位が台湾で0.695、2位が韓国、3位がタイで0.87です。

利用実態調査を実施 台湾の一人当たりの送信数は日本の約3倍 | LINEヤフー株式会社

 

今回の記事は、人との交流がテキストに置き換わることで通話時間や会う時間が減ることで出生率の低下になっているのではと思って作成してみました。もちろん逆の流れで、男女の付き合いが減少することで通話時間が減少しているのもあると思います。

友達と会う頻度が減り一人でいる時間が長くなっている

「人と会う交際・付き合い」1日平均(総務省19万人調査)

総務省の「社会生活基本調査」の「人と会って行う交際・付き合い(分類522)」の推移グラフになります。分類上は「人との交流、付き合いを目的とした行動」の内で「知人との会話」で調査票B関係の年齢対象は15歳以上の結果になります。2001年は15分だったのが、2016年に11分、2021年は感染症による非接触の影響もありますが1日平均が5分に減っています。

令和3年社会生活基本調査 調査票Bに基づく結果 詳細行動分類による生活時間に関する結果 生活時間編  | 政府統計の総合窓口

 

欧州21ヵ国 毎日友人と対面で会う割合(OECD)

上記のグラフはOECDが発表した欧州21ヵ国の「毎日友人と対面で会う人の割合」です。2006年が21%、2015年が16%、2022年が12%と減少していってます。調査対象は21ヵ国で44万人になります。

Trends in social connections: Are people becoming more or less connected?: Social Connections and Loneliness in OECD Countries | OECD

 

「人生の満足度に影響しているものは?」(2024年調査)

パナソニックが2024年に5,200人にアンケート調査した結果で人生の満足度で、「人生に満足している」「どちらかと言えば満足している」と回答した3,328人に人生の満足度に影響しているものを5個まで選択できるという結果のグラフで、1位は「ひとり時間」が73.5%、2位は「家族との時間」が52.4%、3位は「健康」が39.8%、4位は「快適な住空間」が29.3%でした。

 

アメリカ 15〜29歳の1日平均「一人時間」の推移

アメリカン・タイム・ユース・サーベイ(ATUS)の15~29歳の8100人を調査対象にした「一人時間(1日平均)」の推移グラフになります。2018年は270分、2020年に340分、2024年は365分と増加傾向にあります。同じ調査では「社交やコミュニケーションを行う時間」は2014年の43分から2024年は35分と減少しております。

 

小学生(5・6年生)が休みの日に1人で過ごす割合

名古屋市の統計で「学校が休みの時は、主にどのように過ごしていますか?」という442人のアンケートで、「一人で過ごす」が2018年は7.6%でしたが2023年は12.2%に増えています。同じ名古屋市のアンケート項目で、「学校の授業以外でのインターネット接続時間が日に4時間以上」の割合が2018年は3.9%でしたが2023年は15.8%と小学校5・6年生でネット接続時間が大きく増加しています。

 

【日本の一人時間は40か国中で1位】

2025年にイギリスのユーロモニターインターナショナルという会社が40ヵ国で「人生において最も優先する事項は?」という質問に対して、「一人時間」と答えた割合が日本は38.9%で1位という結果だったと発表されています。40ヵ国平均(各国1,000人)で「一人時間」と答えた人は23.6%なので世界平均よりも1.5倍多いことになります。

 

【年齢階級別の一人時間】

社会生活基本調査の2021年と2016年の5歳階級別の一人時間(1日平均)のグラフになります。感染症の影響もあるかと思うのですが、20歳以上では一人時間が1日平均で1時間増えているように見えます。

日本の人口は145年後に1/10(90%減)西暦2171年に1,280万人

日本の総人口の推計(社人研2023年より)

日本の人口減少が進んで、ピーク時(2008年の1億2800万人)から何年後に1/10(90%減)になるかを調べていたところ、社人研(国立社会保障・人口問題研究所)でシミュレーションされたデータがあったのでグラフにしました。

 

《社人研の推測条件》

・合計特殊出生率=1.2

・国際人口移動をゼロと仮定する

・平均寿命が2023年時点と同じと仮定する

  (1,000人)
2008年 128,084
2023年 124,352
2040年 106,584
2060年 82,539
2080年 59,949
2100年 42,875
2120年 30,645
2140年 21,840
2160年 15,617
2171年 12,800

社人研人口統計資料集2025

人口統計資料集2025

 

【2019年の社人研予測より早まった】

2019年に社人研が長期予測した人口のピークが1/10(90%減少)に到達する時点は西暦2203年でした。2019年の社人研の条件予測は合計特殊出生率が1.36でした。合計特殊出生率が1.36→1.2に変更になることで、日本の人口が90%減少になる時点が西暦2203年から西暦2171年と32年早まった予測に変更されました。

 

【合計特殊出生率が1.13(2025年)と仮定で推測】

2023年の社人研の将来予測の出生率を1.2→1.13に変更して、死亡率をそのままで計算してみました。日本の合計特殊出生率は2025年は1.13くらいになると想定されてます。

  (1,000人)
2023年 124,352
2040年 103,619
2060年 77,624
2080年 54,539
2100年 37,732
2120年 31,323
2140年 17,986
2158年 12,808

合計特殊出生率が1.13が続くと仮定すると、今から132年後の西暦2158年に日本の総人口はピーク時から90%減になります。(国際人口移動をゼロと仮定した場合)

 

【日本の将来の出生数は4,200万人で頭打ち】

 

京都大学の森知也教授の「日本で将来生まれる子供の数は上限がある」というYoutubeの説明になります。2025年で日本で生まれる子供の数は残り4200万人(楽観的数字)で、西暦2100年で残り生まれる子供は1,000万人、西暦2140年で残り500万人というシミュレーションになっています。つまり、日本の人口減少で対策可能な時間は限られていることを警鐘したグラフになります。

 

【人口減少の問題点】

「人口が減少して何が問題か?」という問いがありますが、一番の問題は「人口減少しても個人には問題がないので減少が止まらない。」だと思っています。