人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

人工妊娠中絶が禁止されている国は出生数が多い

【アフリカ54ヵ国 出生数が2023年も増加している国】

青の上矢印の国は、2023年時点で出生数がその国の過去最多で増加し続けている国です。赤い下矢印の国は、出生数が減少に向かっている国です。アフリカ54ヵ国では、出生数の増加国は39ヵ国/54ヵ国 、出生数が減少している国は15ヵ国です。

アフリカ54か国で、人工妊娠中絶を「経済的理由や母親の意志」で自由に合法的に選択できる国は、5ヵ国です。(南アフリカモザンビークチュニジア、カーボヴェルデ、サントメ・プリンシペ

人工妊娠中絶が合法の国で、出生数が増加している国は、アフリカではモザンビークの1国だけになります。

 

各国が人工妊娠中絶を合法にしているか否かは下記のwikipediaを参照しています。

人工妊娠中絶法 - Wikipedia

 

 

【中東 出生数が2023年も増加している国】

 

中東の国で2023年も出生数が増加している国は、5か国になります。

ウズベキスタン

アフガニスタン

パキスタン

・イエメン

カタール

この内、人工妊娠中絶が経済的な理由や母親の意志で合法に選択できるのは、ウズベキスタンの1国だけになります。

出生数が2023年で増加しているのは、アフリカの39ヵ国と中東の5ヵ国のみになります。

 

 

【ヨーロッパの国 出生数がピークだった年】

 

ヨーロッパでは出生数が2023年時点で増加している国はありません。出生数がピークだった年を国連のデータからマップにしました。1963年、1964年がピークだった国がイギリス、オランダ、ドイツ、イタリア、オーストリア、スイス、ベルギーと多く目立ちます。

1960年にフランスで「フランス家族計画運動」という中絶の合法化を求める運動が盛んになったり、イギリスでも1960年にAbortion Law Reform Association (ALRA)という中絶法の改正を求めるキャンペーンを強化し1967年に合法化されました。

ヨーロッパでは1960年代に中絶の合法化が盛んになり、出生数がピークを迎えたということになります。

 

ヨーロッパの国(人口100万人以上)で中絶が違法とされているのはポーランドです。カトリック教会の影響が強い国で、2020年10月にポーランド憲法裁判所が中絶は違憲であると判断しました。 

 

【アジアの国 出生数がピークだった年】

 

緑の丸枠の国は、人工妊娠中絶が「経済的理由や母親の意志」で選択できる国です。赤い数字は、出生数がピークだった年になります。人工妊娠中絶が許されてないフィリピン、マレーシア、スリランカバングラデシュは出生数のピークが2000年以降とアジアの中で比較的遅かったのを見ても、人工妊娠中絶が出生数に大きく影響していることがうかがえます。

 

 

【日本の人工妊娠中絶と出生数の関係】

日本の出生数と中絶数の関係 1949年~1970年
  中絶人数 出生数
1949年 101,601 2,697,000
1950年 320,150 2,337,507
1952年 798,193 2,005,162
1954年 1,143,059 1,769,580
1956年 1,159,288 1,665,278
1958年 1,128,231 1,653,469
1960年 1,063,256 1,606,041
1962年 985,351 1,618,616
1964年 878,748 1,716,761
1966年 808,378 1,360,974

何故、日本の第一次ベビーブームが終焉したのかという疑問を調べてみたら、人工妊娠中絶の導入だったと知って、今回の記事を調べてみようと思いました。

 

日本では明治後期から中絶や間引きを法律で禁止することで、富国強兵へと繋げてました。敗戦後に日本の飢餓状態や住宅難状態を考慮して1948年に母体保護法優生保護法が成立して人工妊娠中絶が以降急増しました。

もし人工妊娠中絶が導入されずにいた場合の出生数は1974年まで出生数は毎年270万人前後で減らずに維持した計算になります。 

世界の中絶数の統計を調べてみると、1950年代に年間100万件を超える人工妊娠中絶が起きたのは日本だけでした。日本が人口減少の先駆けと言われる所以は1948年の優生保護法が他国よりも早かったからなのでしょう。