人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

単一民族の国家ほど出生率が低い

民族率と出生率の関係

単一民族国家とは、ある国家において、特定の民族のみで滞在人口の95%以上(国家内の他民族比率が累計5%未満)を占めている国。

単一民族国家 - Wikipedia

 

各国の「民族第一位グループの占有率」と「合計特殊出生率」で26ヵ国を散布図にしてみました。ただし、農業就業人口率が25%以上の国は出生率が高い為に除外しております。

散布図で赤い枠線で囲ったように、民族占有率が高い右下に行くほど、出生率が低くなっております。

 

 

【民族第一位が90%以上、且つ第一次産業人口率が25%以下の国】

 

  一次産業率 民族率 出生率
ジャマイカ 8% 91% 1.3
日本 3% 97% 1.26
イタリア 4% 91% 1.24
ウクライナ 15% 95% 1.22
中国 24% 92% 1.03
台湾 5% 96% 0.87
韓国 5% 96% 0.78

 

2つの条件に該当した国家は上記の7ヵ国です。

合計特殊出生率に影響する大きな要素として、「第一次産業の就労率」があると考えております。
農業・漁業・林業を営み続けるにあたり、労働力として子供を頼ることで出生数を増やそうとするのが個人の生存戦略になるからです。
日本の戦後の「合計特殊出生率」と「農業・漁業・林業の就労人口率」のグラフを見ても2つは相関しているのが分かります。

 

農林漁就業率と出生率 1951~2022

日本では1951年に農林水産業人口率が46%で合計特殊出生率が3.26人、生産生の高い東京への人口移動が起き、1975年に農林漁業率が13%に低下して出生率が2.0以下になりました。
2022年では農林漁業率は3%で出生率が1.26です。

 

 

【先進国は海外の農村から移住を取り込むことで出生率低下を防いでいる】

日本の農村人口は3%でこれ以上は都市への流入は出来ないほど落ち込んでいます。

多くの先進国は日本と同様に、農業人口率が低下し、出生率が低下しています。

出生率と一次産業人口率の138ヵ国の散布図

上記のグラフは138の国の合計特殊出生率と一次産業の人口率を散布図にしたものです。赤い線は、日本が1951年から2022年に変化した軌跡を直線で引いたもので、おおよそ他国の中間を通るように見えますので、一次産業の人口率というのは文化や人種を超えて合計特殊出生率に影響するものかと思われます。

農村人口率が10%以下になった先進国は出生率を低下させない対策として出来ることは海外の農村から移民を受け入れることです。

 

【移民を増やしても出生率の低下は防げないが緩やかになる】

全体では1.641…アメリカ合衆国の人種別出生率実情(不破雷蔵) - エキスパート - Yahoo!ニュース

 

民族が多様化することで、各民族が刺激を受けて出生率が回復するものなのかという疑問を考えた時に、アメリカの人種毎の出生率の推移の記事が参考になりました。

アメリカでは「白人」「黒人」「アジア人」「ヒスパニック」という分類でどれも出生率は低下しています。

目立った低下を見せているのがアジア人で、日本や中国や韓国の出生率の低下と同じで、住む環境は関係なく不変なのかと思いました。

 

単一民族の国が出生率が低いのは、第一位民族が90%以上では排他的になりやすく他国の人が住みにくいという印象で移民に積極的にはなりにくいマイナス面が作用すると思います。

 

【2022年の日本の合計特殊出生率1.26は統計の不正】

www.tokyo-np.co.jp

最初にグラフにした赤い枠線をみると日本は、民族率が97%なのに出生率が1.26と善戦しているように見えたので、良く調べてみると東京新聞で政府による統計の不正があったという記事があったので紹介しておきます。

出生した子供は日本人も外国人も計算にいれてるのに、母親は外国人を除外することで故意に数字を大きく見せる不正で、本当は2022年の合計特殊出生率は1.18くらいではないかと言われております。