人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

日本の出生数は、毎年35,400人ずつ減少して21年後の2045年には出生数がゼロになる可能性

日本の出生数過去1年の月次 2016年3月~2024年6月

厚生労働省が毎月公表している統計で、「当月を含む過去1年間の出生数」を月次でグラフにしてみました。8年間のグラフですが、綺麗にマイナスの一次関数になっています。近似曲線の傾きは「-2954.4」で出生数が毎月2,954人ずつ減少し年間では35,400人減少する直線となっております。(青線が実数で、赤点線が近似曲線)

2016年6月の過去1年間の出生数は1,027,120人でしたが、2024年6月は737,653人で8年間で29万人の減少になっております。

 

 

日本の出生数 将来予測 2016年~2045年

2016年~2024年の8年間が毎年35,400人ずつ出生数が減少していて、これが将来も続くと仮定すると計算上は21年後の2045年4月に日本の出生数はゼロになります。

「出生数が直線的に減少するはずがない」というのは根拠があるのでしょうか?

 

 

厚生労働省の2015年の人口予測と実数値】

厚労省の将来推計人口(出生低位)と実績値 2017年発表

厚労省の管轄の国立社会保障・人口問題研究所が2017年に発表したもの(予測は2015年時にされたと思われる)と、2024年までの実績値をグラフにして比較しました。将来推計人口は「出生高位」「出生中位」「出生低位」と3パターンを想定して予測されます。2024年の「出生低位」(最悪のパターン)の予測値は723,000人となってますが、2024年6月時点で2024年の出生数を推計すると720,000人以下になる可能性が高いです。

 

国立社会保障・人口問題研究所の出生数の将来予測(2015年時点)では2025年からは3,000人ずつしか減少しない予測になっていて、出生数の減少が底打ちするとされています。何故、出生数の減少に歯止めが掛かるのか理由は見つけれませんでした。

 

日本の将来推計人口(平成29年推計)

https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp29_ReportALL.pdf

 

 

厚生労働省の2020年の人口予測】

厚労省の将来推計人口(出生低位)と実績値 2020年

厚労省の管轄の国立社会保障・人口問題研究所が2021年に発表した最新の将来推計人口(出生低位)と実績値のグラフです。この予測は2020年に行われていて新型コロナウィルスの影響を考慮にいれたものになります。「出生低位」「出生中位」「出生高位」のどのパターンでも、2024年には出生数が増加すると予測されています。しかし実際は2024年上半期の出生数は2023年上半期と比較して「-5.7%」です。

 

厚労省の出生数の予測では2024年に増加に転じて、以降は減少は緩やかで底打ちするとなっていますが、上記のグラフの赤い線が実績値ですが、この落下角度が緩やかになる根拠が分からないのです。

 

日本の将来推計人口(令和5年推計)

https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_ReportALLc.pdf

 

 

【韓国の出生数も減少が激しく11年後に出生数がゼロになるペース】

韓国の出生数 将来予測

韓国の2023年の出生数は230,000人です。2015年は438,400人だった韓国の出生数は僅か8年で20万人減少でマイナス48%になります。将来このまま出生数が減少すると仮定すると2035年には出生数がゼロになる計算です。

 

 

【中国の出生数も減少が激しく12年後に出生数がゼロになるペース】

中国の出生数 将来予測

中国の2023年の出生数は9,020,000人です。2017年には17,230,000人だった出生数が6年で8,200,000人減少しマイナス48%減ということになります。このまま減少が続くと2036年には中国の出生数はゼロになる計算です。

 

日本も韓国も中国も、コロナ禍で出生数が減少したというグラフにはなってないのが特徴的で、コロナ禍で出生数が減少した訳ではないので、出生数が今後下げ止まる理由が見当たらないと思います。