人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

高知県の女性の未婚率が1位(2020年)の理由は女性管理職率が高い

45~49歳女性の未婚率(都道府県別) 2020年統計

令和2年の国勢調査で、未婚の女性の人数を都道府県別で比較すると、高知県が1位というグラフになります。「45~49歳」、「40~44歳」、「35~39歳」の全ての階級で高知県の女性の未婚率が1位になっております。

東京都よりも高知県が未婚率が高いというのが不思議に思い理由を調べてみました。

 

 

40~44歳女性の未婚率(都道府県別) 2020年統計

 

 

35~39歳女性の未婚率(都道府県別) 2020年統計

【参照データ】

www.e-stat.go.jp

※「未婚」は、まだ結婚したことがない人になります。

 

 

高知県は女性の課長級以上の管理職率が都道府県で1位】

都道府県別 課長級以上に占める女性の割合(2010年)

出典:https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/dl/16c-2.pdf

 

厚生労働省の雇用均等法に関する資料で、高知県都道府県で女性管理職が多く活躍しているというデータがありました。

高知県の女性の管理職の割合は、全国平均が6.2%に対して4倍以上の25.5%と、2位の沖縄県16.6%を大きく突き放してます。
高知県が未婚率が高いのは、管理職になる女性の率が高いので、比例して収入が高くなり未婚率が高いのではないでしょうか。

 

 

高知県が女性管理職が多いのは大学進学率の男女差が少ないから】

都道府県別の男女の大学進学率の差 1996年

2020年の40代後半の女性が大学生だった1996年時点の男女の大学進学率の差を都道府県で比較すると、男女差が少ない順番では1位が沖縄県で2位が高知県です。
前述の厚労省の女性管理職の割合、1位高知県で2位沖縄県、大学進学率の男女差のなさでは1位沖縄県・2位高知県です。
女性の大学進学率が男性と比較して差が少ないと、管理職に就くチャンスが増えて収入が増えて未婚になりやすいということと推察できます。

韓国や台湾や中国は出生率が日本よりも低いのも、女性の大学進学率が日本より高いからかもしれません。

 

【2015年以前の国勢調査では高知県の未婚率は目立たなかった】

図録▽都道府県別の生涯未婚率(マップつき)

 

上記のサイトでは、2000年と2020年と都道府県別、男女別の生涯未婚率の散布図が分かりやすくなっております。2020年の国勢調査を受けて、色々なサイトで高知県が女性の生涯未婚率が1位であると2年前に話題になったようです。

 

2015年の国勢調査と2020年の国勢調査都道府県別の女性の未婚率を比較すると東京や北海道や京都の女性の未婚率が減っています。2015年国勢調査から2020年国勢調査の未婚率の変動の比較です。

 

  35~39歳 40~44歳 45~49歳
高知県 -0.3% 0.9% 1.2%
北海道 -1.6% -2.0% -0.1%
東京都 -2.6% -2.8% -0.7%
京都府 -2.0% -0.5% 0.5%
青森県 0.2% 0.7% 2.0%

 

 

【男女の大学進学率は差が縮小傾向にある】

大学進学率の男女差が減少すると、就職先で女性の管理職が増えて、未婚率が今後も上がるという傾向があるというのが、2020年国勢調査高知県の高い未婚率から推察されます。