人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

東京都の人口集中率は「25~29歳」「30~34歳」「40~44歳」で2022年が戦後最高

東京都の5歳階級人口集中率 全国比 1940~2022年

【出典】

社会・人口統計体系 都道府県データ 基礎データ0000010101 A 人口・世帯 | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口

 

日本の総人口(外国人含む)を年齢5歳階級で分けてみた時に、東京都に全国の何%が集中しているかを1940年から5年間隔にグラフにしてみました。

2022年が戦後最高だったのは、「25~29歳」「30~34歳」「40~44歳」「55~59歳」「60~64歳」で、特に「25~29歳」の伸びが直近10年で著しく2022年時点で15.2%となっております。

 

日本人・外国人を分けた統計が2013年以前は存在してなく、1960年代の集団就職時期と比較したかったので、今回のグラフは「総人口」になってます。

25~29歳の2022年の東京の人口集中率は1965年の高度成長期を超えた数値になっています。

 

【東京都の年齢階層別の人口集中率 2022年】

 

 

東京都では10代の人口は全国比で10%前後ですが、18歳の大学進学や22~23歳の就職を契機に東京への移住で転入超過になり、「25~29歳」で全国の15.2%の人口が集まります。

その後30代を過ぎてから東京からの転出超過に徐々になり、「60~64歳」では全国比10%と、10代と同じくらいの数値に落ち着きます。

 

東京都の人口集中を見ると、5歳階級で見ると「25~29歳」が急激に上がってきてます。

東京都の25~29歳人口集中 全国比 1940年~2022年

高度経済成長の1960年代は「20~24歳」の集中率が高かったのですが、現在は大学に進学する人が多いので大学卒業後に東京に集中するような傾向になっています。

 

 

【東京集中の要因は地方との賃金格差】

 

一人当たり県民所得のジニ係数・上位5県平均と下位5県平均の比

上記のグラフは、「県民所得の上位5県、下位5県の比率」の推移になります。

https://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/monitoring/system/contents/03/3-1-2.pdf

 

地方から東京に移住することで年収が1.4倍以上になると東京集中が加速して、1.3倍を下回ると東京集中が減速するという大学教授の論文を読んだことがあります。

現在は地方と東京の新卒の生涯賃金が1.4倍以上と期待値計算する人が多いので東京集中が加速しているのではないでしょうか。

 

「25~29歳」の人口が東京に集中する率が上がれば、自然と勤労世代の「30代~50代」の東京集中も過去よりも上がっていきます。

地方の労働人口が減少すれば、更に「地方」と「東京」の賃金格差が広がり、新卒が東京へと移住するという流れになってしまいます。

 

 

【日本人の18歳~25歳の東京都への転入超過】

日本人の東京都の転入超過 18~25歳 2010年~2023年

 

統計で「日本人のみ」「各歳」で見つけれた18歳~25歳の転入超過2010年から2023年をグラフにしました。(2012年と2013年が見つからなく空白です)

2020年と2021年はコロナにより落ち込みましたが、2023年は再び上昇しています。

 

 

【東京都の転入超過 18~25歳】

2014 64,181
2015 70,766
2016 72,424
2017 74,510
2018 75,028
2019 77,328
2020 70,697
2021 70,044
2022 76,844
2023 82,420