「政府統計データより作成」
【日本の父の年齢の変化】
2023年現在で世界的に見て、父親の年齢が上がることで自閉症の児童が増加しているという論文が多くなってきています。
日本では、グラフのように2003年に40歳以上の父親が8.0%だったのが2021年には16.3%と20年弱で2倍以上になっています。
2006年に政府が少子化対策を打ち出したことで、明らかに40歳以上の父親の割合が増加したのが分かります。
【父親の年齢が40歳以上と小学校が特別支援教育の児童の割合】
青い線が左軸で小学生の特別支援学校+特別支援学級+通級の生徒数の割合。
オレンジの線が父親の年齢で、6年遡った値(小学校入学が6歳なので)です。
「父40歳以上」と「小学校特別支援」の増加の仕方が似ていて、相関係数は0.998と強い数字です。
参照:以前の記事
【父親の年齢が高いほど、多くの変異が子に伝わる】
父親の年齢が高いほど、多くの変異が子に伝わる | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio
30代、40代と父親の年齢が上がるにつれて、その子どもが、自閉症や統合失調症など、新規の遺伝的変異と関連する疾患を発症する確率が上昇する。
精子は前駆細胞の分裂によって絶えず産生されているため、その分裂のたびに、新しい変異が生じる。
20歳の父親よりも、36歳の父親は2倍、70歳の父親は8倍多くの変異を子どもに伝える
新規変異は母親起源よりも父親起源である可能性が4倍高いことが示されている。
KAKEN — 研究課題をさがす | 出生時の父親の年齢と自閉症関連疾患発症リスクとの関連~その生物学的基盤の解明~ (KAKENHI-PROJECT-20591396)
出生時の父親の年齢が高いほど、児のASD診断のリスクが高いことが示された
生殖補助医療(体外受精)の有無(なし、IVF、ICSI)は、いずれの発達変数においても、なし-IVF-ICSIの順に発達が遅れる傾向が認められた。
【高齢男性の子供の精神疾患・発達障害増加の原因はdnSNV(遺伝子変異)】
高齢男性の子供の精神疾患・発達障害増加の原因はdnSNV?(論文紹介) - 亀田IVFクリニック幕張のブログー妊娠・体外受精ー
自閉症は、父親の年齢が高くなるにつれて蓄積される遺伝子変異、特にde novo single nucleotide variants(dnSNV)に起因すると考えられています。
【東北大学 父親の加齢で精子のDNAメチル化をマウス実験で世界初で立証】
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210104_02web_father.pdf
本研究は、父親の加齢による次世代個体の神経発生への影響を遺伝子レベルで解明した初めての報告
マウスにおいて父親の加齢によって生じる精子の非遺伝的変化(DNA メチル化の低下)を同定した
【50歳以上で父親になると孫の自閉症リスク1.7倍】
50歳以上で父親になると孫の自閉症リスク1.7倍|あなたの健康百科|Medical Tribune
1932年以降生まれの3万7,000人を解析
50歳以上で親になった男性では、30歳未満で親になった男性に比べて子供の自閉症リスクが2.2倍
子供の自閉症リスクは、親になった年齢が20~24歳の男性に比べ、40~44歳の男性で1.45倍、45~49歳の男性で1.83倍、50歳以上の男性で2.26倍
孫の自閉症リスクは、親になった年齢が20~24歳の男性に比べ、40~44歳の男性で孫が男児の場合1.23倍、女児の場合1.32倍、45~49歳の男性でそれぞれ1.60倍
父親の精子から子どもの自閉症リスクを予測|Beyond Health|ビヨンドヘルス
精子を採取してDNAメチル化がどれくらい進行しているかを計測することで、子供が自閉症かどうかを90%の確率で判断できた。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国で1975年に自閉症と診断されたのは5,000人に1人であったが、2020年は54人に1人となっている
【30~39歳の父親年齢の割合は58%前後で40年間変化してない】
青:30歳未満の父親割合
オレンジ:30~39歳の父親割合
黄色:40歳以上の父親割合
30代の父親割合は、
1981年:56%
1991年:55%
2001年:54%
2011年:59%
2021年:58%
【40歳以上の父親の割合推移】
1980 | 2.5% |
1981 | 2.7% |
1982 | 3.0% |
1983 | 3.1% |
1984 | 3.4% |
1985 | 3.5% |
1986 | 3.5% |
1987 | 4.0% |
1988 | 4.8% |
1989 | 5.6% |
1990 | 6.2% |
1991 | 6.5% |
1992 | 6.8% |
1993 | 6.9% |
1994 | 7.0% |
1995 | 7.2% |
1996 | 7.3% |
1997 | 7.3% |
1998 | 7.4% |
1999 | 7.4% |
2000 | 7.6% |
2001 | 7.7% |
2002 | 7.8% |
2003 | 8.0% |
2004 | 8.3% |
2005 | 8.7% |
2006 | 8.9% |
2007 | 9.4% |
2008 | 9.9% |
2009 | 10.5% |
2010 | 11.1% |
2011 | 11.7% |
2012 | 12.6% |
2013 | 13.4% |
2014 | 14.3% |
2015 | 14.7% |
2016 | 15.3% |
2017 | 15.5% |
2018 | 15.7% |
2019 | 15.9% |
2020 | 16.0% |
2021 | 16.3% |
2022 | 16.2% |