人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

小学生・中学生・高校生の自殺率と不登校者数は2022年が過去最多(文科省統計1974年以降)

【高校・中学の10万人当たりの自殺者数推移】

日本の高校生の自殺死亡率/10万人当たり 2004年~2022年

 

日本の中学生の自殺死亡率/10万人当たり 2004年~2022年

参照データ:https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/001079455.pdf

令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省

 

 

www.asahi.com

文部科学省厚生労働省のデータを組み合わせて、中学生と高校生の10万人当たりの自殺者数の推移をグラフにしてみました。

「コロナ禍」の前の2018年、2019年で自殺死亡率が過去最多になっているので、新型コロナウィルスだけが直接の原因ではないと思います。

 

2004年と2022年の中学生・高校生の自殺率を比較すると、どちらも220%の増加となっております。

 

  2004年 2022年 増加率
中学生 1.91 4.46 233%
高校生 5.49 11.97 218%

 

 

【20歳以上の自殺率は増加してない】

年齢別の自殺率 2007年~2022年

上記のグラフの一番下の青い線が「15~19歳の自殺率」で、それ以外の年代とはかけ離れているのが分かります。

20歳~44歳までのグラフでは、コロナが始まった2020年~2022年でも2011年以前と比較しても自殺率が低いのが特徴です。

 

不登校の推移】

小学生の不登校者数(1,000人当たり)

中学生の不登校者数(1,000人当たり)

高校生の不登校者数(1,000人当たり)

参照データ:https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_2.pdf

 

中学生の不登校は1,000人当たりでは60人なので、6%の中学生が不登校の状態のようです。

不登校の定義は、年度で30日以上の欠席があるもの。ただし、新型コロナウィルスによる欠席や、コロナ回避による欠席は除外されています。

 

 

【小中高生の自殺率と不登校の関係】

不登校と自殺の直接の因果関係は不明ですが、アメリカのCDC(アメリカ疾病予防管理センター)が、アメリカで10代の自殺が増えているいる状況を分析したところ、「他者と繋がりがある子は自殺が少ない」でした。

 

 

【死因の警察の特定で不慮の事故が減って自殺が増えてる】

15~19歳の死亡率(10万人当たり)

15~19歳の死亡原因は2009年までは、1位「不慮の事故」、2位「自殺」でした。

「不慮の事故」というのは、「交通事故」「転落」「溺死」で90%占めます。

 

20年前では、子供が自殺したかどうか不確定な場合は警察も保護者も「自殺」ではなく、「不慮の事故」で扱ってました。

グラフのように2016年頃から不慮の事故が減少して、自殺が増えている背景としては、「SNSによる希死念慮の書き込みが残されるようになった」「不登校やいじめが増加して親が自殺を享受するようになった」があると推察されます。

 

2021年に起きた旭川の14歳少女の凍死事件も、警察は「不慮の事故」で処理してますが、後の第三者委員会では「自殺」と発表されてます。

少女は「いじめ」による不登校SNS希死念慮の書き込みがありました。

「自殺」と「いじめ」の因果関係は現在進行形で第三者委員会が調査中です。

nordot.app

【高校生の自殺死亡率(10万人当たり)の推移】

  高校生の自殺死亡率(10万人当たり)
2004年 5.5
2005年 6.0
2006年 6.3
2007年 6.3
2008年 6.7
2009年 6.8
2010年 6.1
2011年 8.0
2012年 7.5
2013年 6.4
2014年 6.4
2015年 7.3
2016年 6.5
2017年 7.3
2018年 7.4
2019年 8.8
2020年 11.0
2021年 10.4
2022年 12.0

 

【中学生の自殺死亡率(10万人当たり)の推移】

  中学生の自殺死亡率(10万人当たり)
2004年 1.9
2005年 1.8
2006年 2.2
2007年 1.4
2008年 2.1
2009年 2.2
2010年 2.1
2011年 2.0
2012年 2.2
2013年 2.8
2014年 2.8
2015年 2.9
2016年 2.7
2017年 3.2
2018年 3.8
2019年 3.5
2020年 4.5
2021年 4.6
2022年 4.5

 

【小学生の不登校(1,000人当たり)の推移】

  小学生の不登校(1,000人当たり)
2006年 3.3
2007年 3.4
2008年 3.2
2009年 3.2
2010年 3.2
2011年 3.3
2012年 3.1
2013年 3.6
2014年 3.9
2015年 4.2
2016年 4.7
2017年 5.4
2018年 7
2019年 8.3
2020年 10
2021年 13
2022年 17

 

【中学生の不登校(1,000人当たり)の推移】

  中学生の不登校(1,000人当たり)
2006年 28.6
2007年 29.1
2008年 28.9
2009年 27.7
2010年 27.3
2011年 26.4
2012年 25.6
2013年 26.9
2014年 27.6
2015年 28.3
2016年 30.1
2017年 32.5
2018年 36.5
2019年 39.4
2020年 40.9
2021年 50
2022年 60

 

【高校生の不登校(1,000人当たり)の推移】

  高校生の不登校(1,000人当たり)
2011年 16.8
2012年 17.2
2013年 16.7
2014年 15.9
2015年 14.9
2016年 14.6
2017年 15.1
2018年 16.3
2019年 15.8
2020年 13.9
2021年 17
2022年 20

 

【15~19歳の不慮の事故・自殺死亡率(10万人当たり)】

 

  不慮の事故 自殺
2012年 5.7 8.5
2013年 5.6 7.6
2014年 5.3 7.3
2015年 4.9 7.6
2016年 5.1 7.2
2017年 4 7.8
2018年 4.1 8.7
2019年 3.6 9.8
2020年 4.1 11.4
2021年 2.9 11.5
2022年 3.6 12.2