人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

中学受験率と中学不登校率が過去最高(2022年)で相関が強い(0.95)

中学受験率(首都圏)と不登校率 2010年~2022年

中学受験率データ:https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/upload/d43f4af6a39d4ff173f23ed90d447e15_1.pdf

 

中学不登校データ:https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_2.pdf

 

2023年の首都圏の中学受験率が17.86%で過去最高でした。

中学の私立・国立受験率は全国で正式な公的機関のデータがないので、株式会社 首都圏中学模試センターさんのデータを参考にしております。

 

中学受験率は、2008年のリーマンショックで下落に転じましたが2014年以降に上昇転換して2020年に過去最高、そして2021年・2022年・2023年と4年連続過去最高を更新しております。

 

不登校の増加が一番多いのは中学1年生】

不登校が増加した学年

学年別不登校児童生徒数

参照データ:https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_2.pdf

 

学年の不登校数の差を計算して、どの学年で不登校が増加したかを見ると中学1年生が圧倒的に多数でした。

小学校から中学に上がって環境が変わるという要因もありますが、中学受験によるストレスが影響しているのではないかと思い今回記事にしてみました。

 

首都圏の中学受験率(17.86%)と中学不登校率(6.0%)は、2010年~2022年のデータを比較すると相関係数が0.95と強い数字になっております。

 

中学受験が多くなることで、小学校で競争が激化して、中学受験しない子供にも淘汰の圧力が及んでいるのではないでしょうか。

競争社会では、過剰な勝ち組の背景には、過剰な負け組が生じてしまいます。

文科省のデータで、中学不登校の理由で一番多いのは「無気力・不安」で52%です。

 

不登校の原因が分からないと本人や親御さんが言う人が多い背景には、中学受験で競争が激しくなり不寛容な学校生活がストレスになり耐性の低い生徒が「無気力・不安」に陥った現象のような気がします。脳の中の「ドーパミンD2受容体」と言われる負の予測をする部分がストレスを受けることで将来を悲観に考えてしまう症状で、長く続くとうつ病を発症してしまいます。

 

参考記事

www.qst.go.jp

 

「不安・無気力」というのは典型的なドーパミンD2受容体の過剰な働きで、心療内科の処方薬で一時的に抑えることは出来ても対処療法に過ぎなく、根本治療にはなりません。

 

子供さんが不登校で不安で無気力な場合、一番良い対処としては「住む環境を変える」ことです。子供さんがストレスを体で感じなくなる環境を探してあげるのが一番良いことです。