人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

出生率が2.0未満になって少子化対策で2.0以上を継続できてる国は存在しない

フランスの出生率の推移

Fertility Rate, Total for France (SPDYNTFRTINFRA) | FRED | St. Louis Fed

過去にフランスが1994年に1.73の出生率を2010年に2.03まで上昇させて、世界中で少子化対策の成功として話題になりました。

しかし2021年現在は、1.83です。

 

【フランスの出生率の推移】

1994年:1.73

2010年:2.03

2021年:1.83

 

出生率2~3の国の推移を調べてみた】

2021年時点で、合計特殊出生率が「2.0~3.0」の25カ国を調べてみて、過去に「2.0」未満になったことがあるか調べました。

  出生率
エジプト 2.96
アルジェリア 2.94
ウズベキスタン 2.9
イスラエル 2.9
ハイチ 2.87
ヨルダン 2.83
シリア 2.8
フィリピン 2.78
ボリビア 2.65
グアテマラ 2.48
サウジアラビア 2.42
南アフリカ 2.4
ホンジュラス 2.39
カンボジア 2.38
ロッコ 2.35
ドミニカ共和国 2.3
ベネズエラ 2.23
ペルー 2.22
インドネシア 2.19
ミャンマー 2.17
チュニジア 2.08
ネパール 2.06
インド 2.05
エクアドル 2.05
バングラデシュ 2

 

チュニジアが、2021年で2.08ですが2006年に1.97で「0.1」だけ出生率が上がっていたのですが、少子化対策というよりも自然な推移なので、人工的に出生率を上げれた訳ではなさそうです。

チュニジア 出生率推移

 

少子化対策をして出生率2以上を継続できている国は存在しない】

日本のように1.26⇒1.3とかに上げれている国はありますが、「国が滅びない基準の2.0」少子化対策で継続できている国は存在しません。

 

少子化対策を失敗してしまった欧州で言われる理由が「少母化」という言葉です。

少母化というのは「15~39歳の女性数」が激減してしまっていることです。

 

日本でも1996年と2023年を比較すると71%に減っています。

  15~39歳女性数
1996年8月 16,897,000
2023年4月 12,058,000
変動率 71%

 

出生率2.0以上を継続する少子化対策が存在しないということは、先進国は人口減少が止められないということになります。