人口減少時代をグラフで読み解く

人口減少の時代に起きる様々なことをグラフにして考察

男性50歳未満の就業者数は2023年が過去最少で1,991万人(統計開始1973年以来)

日本の男性50歳未満 就業者数 1973年から2023年

就業者(非農林業)男性・50歳未満の1973年からの統計のグラフになります。
1972年以前は沖縄県が含まれてないのと、1968年以前は年齢が5歳階級で統計を取ってなかったため、現在の統計方法は1973年からの開始となっております。

 

政府統計データ:

https://www.e-stat.go.jp/en/stat-search/files?page=1&layout=dataset&toukei=00200531&tstat=000000110001&cycle=0&tclass1=000001040276&tclass2=000001011681&stat_infid=000001082684&alpha=13%2C14%2C15&tclass3val=0

 

 

男性50歳未満の就業者数が減少している理由は、就業率が減少したわけでなく純粋に50歳未満の人口がいない為です。

男性50歳未満人口と就業者数

 

OECD加盟国の男性就業者と比較】

OECD加盟国のデータで、「男性25~54歳就業者数」を2022年と2010年をグラフで比較してみると、日本だけが男性就業者数が極端に減少しているのではなく、イタリアや韓国といった出生率が低い国では日本と同様に直近12年間で7%以上減少しております。

 

OECD男性25~54歳就業者 2022年÷2010年

 

【日本の男性の正規雇用社員の人数推移】

男性45歳未満の正規社員の人数 1988年~2022年

図9 各年齢階級の正規、非正規別雇用者数|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)

 

統計上50歳未満が見つけれなかったので男性45歳未満の正社員数の1988年~2022年の推移のグラフになります。
毎年減少していっているのが分かります。1992年から30年経過して45歳未満の男性正規雇用者数が30%減少したことになります。

 

 

【1950年から2023年の日本の50歳未満の人口推移】

日本の人口50歳未満の推移 1950年~2023年

現在の50歳未満の人口(男女計)は、終戦直後の50歳未満の人口よりも少なくなっています。

1980年に50歳未満の人口が8,907万人だったのが43年経過して6,028万人と32%減少しております。

 

【女性50歳未満の就業者数は増加している】

女性50歳未満 就業者数 1973年~2023年

男性50歳未満の就業者数のグラフでは、1973年から2023年で437万人減少しています。

女性の50歳未満の就業者数を見ると、最大増加幅で1975年の1,310万人から2018年の1,784万人と474万人増加しています。

単純差し引きで50歳未満の男女の就業者で考えますと、男性の就業者数が50年で20%減少した分を女性が補ってくれてるという推察が出来ます。

 

【今後は女性の就業者数の増加を見込むのは難しく人手不足になる可能性】

2023年の50歳未満の女性の就業率は80%と、就業率は毎年過去最高になっています。

50歳未満の女性の人口が年々減少しているのと、就業率が80%と高い状態で伸びしろが少なく、上記のグラフのように50歳未満の女性の就業者数は1,700~1,800万人で頭打ち状態にあります。

 

 

【日本の男性50歳未満 就業者数(万人)】 

1972 2,298
1973 2,361
1974 2,382
1975 2,384
1976 2,393
1977 2,390
1978 2,384
1979 2,403
1980 2,413
1981 2,415
1982 2,422
1983 2,430
1984 2,433
1985 2,427
1986 2,427
1987 2,428
1988 2,448
1989 2,478
1990 2,501
1991 2,519
1992 2,523
1993 2,525
1994 2,507
1995 2,506
1996 2,523
1997 2,517
1998 2,458
1999 2,399
2000 2,371
2001 2,332
2002 2,289
2003 2,268
2004 2,256
2005 2,255
2006 2,257
2007 2,255
2008 2,242
2009 2,186
2010 2,175
2011 2,166
2012 2,154
2013 2,148
2014 2,147
2015 2,132
2016 2,141
2017 2,134
2018 2,138
2019 2,123
2020 2,084
2021 2,058
2022 2,019
2023 1,991

日本女性の生涯無子率29.6%(2022年)は世界一で前例がない

日本の女性の生涯無子率 2010年~2022年

女性の場合,再生産年齢の終盤(45~49歳)における無子女性の割合を生涯無子率としてとらえることが多い。

国立社会保障・人口問題研究所

https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/19750102_rev.pdf

 

出典データ 国民生活基礎調査厚生労働省

www.e-stat.go.jp

生涯子供がいない女性の割合が日本が一番高い数値であることが今世界中で注目されております。
一般的に女性の生涯無子率は「45歳から49歳」までの女性だけを計測して何%の人が子供がいないかを調査するものです。


日本の長期の無子率は、戦前生まれの女性が10%、その後低くなって1940年代生まれの女性が一番生涯無子率が低くなり底を打ちました。
その後増加に転じて、グラフのように2010年の調査時(1960年~1965年生)の生涯無子率が17.7%になり、2022年(1972年~1977年生)では29.6%になりました。
2010年から3年間隔の統計をグラフ化したものは、生涯無子率が直線的に増加しているのが何かしらの社会的な要因があるからなのでしょう。

 

 

OECD加盟国の生まれた年別の子供なし率のグラフ】

 

 

 

 

 

引用:https://www.oecd.org/els/family/SF_2-5-Childlessness.pdf

 

横軸の年は生まれた年で、縦軸が子供なし率です。

一番目の画像の青線が日本で、他国と比べて上に突き抜けてます。

 

生涯無子率は国によって「40~44歳」を調査したり、OECDの統計が存在しなかったりと統一感がなく比較が難しいです。
そこで各国の調査結果を「45~49歳」、「2022年調査」と仮定して個人判断で補正値にしてみて比較しやすいように目安としてグラフにしました。

 

国別の45~49歳の生涯無子率の補正

日本の女性の生涯無子率29.6%は確かに世界一高い数字ですが、韓国やシンガポールやイタリアと比較して大きな差ではありません。

 

【過去に女性の30%の生涯無子率のデータはなかった】

男性の無子率が高いのは江戸時代などありましたが女性が30%になるのは、国単位では統計上見当たりませんでした。


1890年生まれの女性がドイツ・アメリカで生涯無子率が高かった記録が残されてます。
アメリカ女性で20%、ドイツは「ベルリン」の都市だけの調査ですが40%と高い数字だったようです。
第一次世界大戦の時期というのが原因も考えられますが、恐らく一番の要因は「子供の義務教育」が誕生したことだと思われます。
ドイツでは1900年に女性も学校に通わす義務が発生し、18歳未満を労働させないという罰則ありの法律も出来ました。
急に出来上がった法律に子供を持つことを躊躇した女性がドイツでは増加して、子供を持たない女性は田舎より都市が住みやすいのでベルリンに集中して40%という数字になったと思われます。

 

参照:https://www.ipss.go.jp/publication/e/jinkomon/pdf/16896601.pdf

 

【移民による生涯無子率の緩和】

欧米の国が生涯無子率が日本や韓国ほど高くなっていない理由は移民が多いからです。
移民する人は母国で子供を育てるのを辞めて、移民先の国で子孫を残そうとする出生に対する強い意思があるからだと思います。
2005年の調査ではドイツ女性の生涯無子率が20%でしたが、15年経過した2020年でも21%です。
補正値のグラフで上位の国、日本・韓国・イタリアは単一民族で、移民が少ないことで生涯無子率が高くなっていると思われます。

 

アメリカやイギリスの人種別のデータが見つからない】

アメリカやイギリスやドイツの移民以外の人種で生涯無子率を調べたのですが比較できるデータが見つけられませんでした。

アメリカの白人の人口が2010年にピークを迎え減少に転じているので生涯無子率も高いのではと思ったからです。

アメリカの2020年のデータでは、「白人」「ヒスパニック系」「アジア人」「黒人」に分類して、独身女性の内で何%が子供がいないかという統計結果はあり、アジア人が子供なし率が高かったです。
恐らく先進国では移民を除くと女性の生涯無子率はどの国も20%以上になっているように思うのです。

 

【BirthGap ドキュメンタリー映画

生涯無子率を調べてみようと思ったきっかけは、下記の映像が「BirthGap」というドキュメンタリー映画で使用されていたからです。

 

 

 

Birthgap - Childless World PART 1 (English Version) - YouTube

 

 

子供のいない女性(45~49歳)の割合

2010年 17.7%
2013年 20.9%
2016年 23.6%
2019年 26.8%
2022年 29.6%

いとこ婚・はとこ婚率40%超のイスラム教の国の出生率が高い

国別の近親婚(6親等以内)の割合

近親婚の調査(対象が1,000人以上)をされてた文献を引用しました。

近親婚に関する調査資料が世界的に少なく、各国の年代は統一されてなく日本のは最新で1980年です。

 

 

イスラムの世界で推奨される近親婚】

ビント・アンム婚 - Wikipedia

 

アラブなどの中東地域では伝統的にいとこ同士の結婚が尊重されており、特にビント・アンム(父方おじの娘)との結婚が好ましいと強調される場面が多い

 

出生率2.0以上の国の人口トップ10とイスラム教徒率】

 

  人口(万) 出生率 イスラム教徒
インド 142,860 2.03 14%
インドネシア 27,750 2.17 87%
パキスタン 24,050 3.39 97%
ナイジェリア 22,380 5.3 50%
エチオピア 12,650 4 45%
フィリピン 11,730 2.7 5%
エジプト 11,270 2.8 90%
コンゴ共和国 10,230 4 48%
ベトナム 9,890 2.1 0.1%
タンザニア 6,740 4.8 40%

 

世界の人口上位国で合計特殊出生率が2.0以上の10カ国を比較してみますと、7ヵ国がイスラム教徒が40%以上を占める国でした。

 

 

【世界の近親婚比率のマップ】

近親婚の世界マップ

アラブ人の血族関係(日本語訳)

https://www-ncbi-nlm-nih-gov.translate.goog/pmc/articles/PMC2765422/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc

 

 

【日本も近親婚は1947年以前は15%以上だった】

日本の近親婚率の推移

国立人口問題研究所(1983年)

https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/14167909.pdf

 

昭和46年の厚生労働白書では、欧米と比較して日本の近親婚率が高いことを懸念している。

諸外国におげる血族結婚率はアメリカで0.1%,イギリス,オランダ,西ドイツなどの欧州諸国で0.1~0.5%といわれているのに対し,わが国では5~6%といわれ,きわめ
て高い。血族結婚ではいとこ婚か,またいとこ婚の場合が多い。特にいとこ婚では遺伝子の共通性が高いので原則として行なうべきではない

近親婚をした理由を358組に尋ねると、「両親や親類に勧められて」が44%と突出していた

 

 

キリスト教は近親婚を禁止】

gigazine.net

 

【調査対象が1000人以上の文献の近親婚率の一覧】

調査年 人数 近親婚率
日本 1960 1,139 4.2%
日本 1965 1,261 2.9%
日本 1970 1,381 2.6%
日本 1975 1,342 2.3%
日本 1980 1,117 1.1%
パキスタン 1990 6,611 63.0%
パキスタン 2007 7,720 62.0%
パキスタン 2014 1,192 66.4%
イラン 1994 4,667 44.0%
ヨルダン 1992 2,000 50.0%
ヨルダン 2007 3,269 49.0%
エジプト 1983 26,554 29.0%
オマーン 2000 60,635 56.3%
インド 2015 456,646 9.9%
カタール 2009 1,515 54.0%
クウェート 1983 5,007 54.3%
レバノン 1988 2,752 25.0%
パレスチナ 2004 4,971 45.0%
サウジアラビア 1993 2,001 51.3%
サウジアラビア 1995 3,212 57.7%
スーダン 1990 1026 63.3%
シリア 2009 67,958 35.4%
アフガニスタン 2011 7,140 46.2%
トルコ 2003 8,075 22.0%
トルコ 2013 4,913 18.5%
バングラデシュ 2017 55,646 6.6%

 

単一民族の国家ほど出生率が低い

民族率と出生率の関係

単一民族国家とは、ある国家において、特定の民族のみで滞在人口の95%以上(国家内の他民族比率が累計5%未満)を占めている国。

単一民族国家 - Wikipedia

 

各国の「民族第一位グループの占有率」と「合計特殊出生率」で26ヵ国を散布図にしてみました。ただし、農業就業人口率が25%以上の国は出生率が高い為に除外しております。

散布図で赤い枠線で囲ったように、民族占有率が高い右下に行くほど、出生率が低くなっております。

 

 

【民族第一位が90%以上、且つ第一次産業人口率が25%以下の国】

 

  一次産業率 民族率 出生率
ジャマイカ 8% 91% 1.3
日本 3% 97% 1.26
イタリア 4% 91% 1.24
ウクライナ 15% 95% 1.22
中国 24% 92% 1.03
台湾 5% 96% 0.87
韓国 5% 96% 0.78

 

2つの条件に該当した国家は上記の7ヵ国です。

合計特殊出生率に影響する大きな要素として、「第一次産業の就労率」があると考えております。
農業・漁業・林業を営み続けるにあたり、労働力として子供を頼ることで出生数を増やそうとするのが個人の生存戦略になるからです。
日本の戦後の「合計特殊出生率」と「農業・漁業・林業の就労人口率」のグラフを見ても2つは相関しているのが分かります。

 

農林漁就業率と出生率 1951~2022

日本では1951年に農林水産業人口率が46%で合計特殊出生率が3.26人、生産生の高い東京への人口移動が起き、1975年に農林漁業率が13%に低下して出生率が2.0以下になりました。
2022年では農林漁業率は3%で出生率が1.26です。

 

 

【先進国は海外の農村から移住を取り込むことで出生率低下を防いでいる】

日本の農村人口は3%でこれ以上は都市への流入は出来ないほど落ち込んでいます。

多くの先進国は日本と同様に、農業人口率が低下し、出生率が低下しています。

出生率と一次産業人口率の138ヵ国の散布図

上記のグラフは138の国の合計特殊出生率と一次産業の人口率を散布図にしたものです。赤い線は、日本が1951年から2022年に変化した軌跡を直線で引いたもので、おおよそ他国の中間を通るように見えますので、一次産業の人口率というのは文化や人種を超えて合計特殊出生率に影響するものかと思われます。

農村人口率が10%以下になった先進国は出生率を低下させない対策として出来ることは海外の農村から移民を受け入れることです。

 

【移民を増やしても出生率の低下は防げないが緩やかになる】

全体では1.641…アメリカ合衆国の人種別出生率実情(不破雷蔵) - エキスパート - Yahoo!ニュース

 

民族が多様化することで、各民族が刺激を受けて出生率が回復するものなのかという疑問を考えた時に、アメリカの人種毎の出生率の推移の記事が参考になりました。

アメリカでは「白人」「黒人」「アジア人」「ヒスパニック」という分類でどれも出生率は低下しています。

目立った低下を見せているのがアジア人で、日本や中国や韓国の出生率の低下と同じで、住む環境は関係なく不変なのかと思いました。

 

単一民族の国が出生率が低いのは、第一位民族が90%以上では排他的になりやすく他国の人が住みにくいという印象で移民に積極的にはなりにくいマイナス面が作用すると思います。

 

【2022年の日本の合計特殊出生率1.26は統計の不正】

www.tokyo-np.co.jp

最初にグラフにした赤い枠線をみると日本は、民族率が97%なのに出生率が1.26と善戦しているように見えたので、良く調べてみると東京新聞で政府による統計の不正があったという記事があったので紹介しておきます。

出生した子供は日本人も外国人も計算にいれてるのに、母親は外国人を除外することで故意に数字を大きく見せる不正で、本当は2022年の合計特殊出生率は1.18くらいではないかと言われております。

日本の刑務所の受刑者数・拘留者数は過去最少で40,451人(2023年11月)

日本の刑務所・拘留所の人数 1946~2023年

法務省 矯正統計表

https://www.moj.go.jp/housei/toukei/toukei_ichiran_kousei.html

犯罪白書

https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/66/nfm/n66_2_3_1_4_2.html

 

刑務所・拘留所の人員数は戦後減少を辿り1973年に底打ちして、1995年頃から増加して2006年をピークに減少し続けて、2023年11月の最新データが過去最少になっております。

 

【刑法犯認知件数は2021年が過去最少】

刑法犯犯罪認知数 1946~2023年

犯罪統計|警察庁Webサイト

 

刑法犯認知件数は2002年に285万件でしたが、19年後の2021年には1/5の57万件に減少しました。

2023年11月までの刑法犯認知件数は64万件で、2023年の主な犯罪は、下記になります。

非侵入盗 237,968
乗り物盗 166,301
器物損壊等 52,719
暴行・傷害 48,111
詐欺 41,432
侵入盗 40,788
わいせつ 18,233
占有離脱物横領 12,724
住居侵入 9,922

 

非侵入盗は、外出先でひったくりに遭遇するなど、自宅以外で金品を取られるものです。

乗り物盗は、自転車や自動車やバイクの盗難です。

刑法犯認知件数がピークだった2002年で多かった犯罪が非侵入盗で、人気のない道を歩いていて金品を奪われる被害が多くありました。

 

 

【犯罪が増加・減少する要因を警察庁でも正確には分かってない】

平成30年警察白書

https://www.npa.go.jp/hakusyo/h30/gaiyouban/gaiyouban.pdf

 

警察白書では犯罪の増減はデータ化できますが、何故犯罪が増えたり減ったりするかの特定要因が難しいとのことです。

犯罪が増加する主な要因としては「完全失業率」があると推察されてます。

 

 

完全失業率の上昇が犯罪を増加させた要因なのか】



完全失業率も刑法犯認知件数もピークは2002年で一緒でした。

上記のグラフで犯罪が増加した要因は確かに完全失業率の上昇なのかもしれません。

 

 

【2002年以降に刑法犯認知件数が減少した理由① 防犯カメラ】

防犯カメラの設置増で犯罪件数が半減 | 日経クロステック(xTECH)

 

2002年の刑法犯認知件数がピークだった時に警察の犯罪増加の分析として、「人気のない場所の外出先で金品を盗まれるのが多発している」とありました。

街頭に防犯カメラが設置されるようになり、リスクなしに安易に奪うことが出来なくなったのが犯罪減少の一つの要因と言われています。

 

 

刑法犯認知件数が減少した理由② インターネットバンキング

日本でインターネットバンキングが普及されだしたのが2002年です。

お金を持ち歩く必要もなく、所持しておく必要もなくなり、犯罪を企図する人の歯止めになったのではないかと思われます。

 

 

刑法犯認知件数が減少した理由③ 若い世代の犯罪に対するリスク意識

2006年と2022年の受刑者の年齢比較

2006年と2022年の受刑者の年齢別でどれだけ変動したかのグラフです。(年齢人口比率を考慮)

49歳以下を見ると2022年では2006年よりも受刑者が半分以下になっています。

2000年頃と比較して犯罪に対するリスクの意識が若い世代ほど高まっていると推察されます。

 

 

【刑法犯認知件数が前年比で2023年が急増で過去最高】

刑法犯犯罪認知数の前年比 1983~2023年

戦後の刑法犯認知件数の増減の比較で、2023年は前年比117.5%と最も犯罪が増加した1年になっております。(2023年は11月現在)

コロナにより犯罪が減少した反動とも考えられ急増してますが、2023年はまだ2019年の刑法犯認知件数よりは少ないです。

今後2024年に犯罪が増える要因として、倒産増・金利上昇などがあり増加する危険性が高いように思えます。

 

 

日本の刑務所・拘留所の人数

1946 67,991
1947 79,901
1948 91,167
1949 96,609
1950 95,353
1951 92,502
1952 76,468
1953 75,511
1954 78,019
1955 82,587
1956 80,825
1957 78,238
1958 79,106
1959 77,206
1960 72,103
1961 68,934
1962 66,459
1963 63,509
1964 62,592
1965 63,233
1966 63,145
1967 58,157
1968 53,848
1969 50,142
1970 47,754
1971 47,744
1972 48,206
1973 46,083
1974 44,916
1975 45,994
1976 46,834
1977 48,812
1978 50,707
1979 50,985
1980 50,706
1981 52,667
1982 54,394
1983 54,569
1984 55,297
1985 55,974
1986 55,641
1987 55,164
1988 54,204
1989 50,481
1990 46,858
1991 45,193
1992 45,082
1993 45,525
1994 46,120
1995 47,398
1996 49,414
1997 50,897
1998 52,713
1999 56,133
2000 61,242
2001 65,508
2002 69,502
2003 73,734
2004 76,413
2005 79,055
2006 81,255
2007 80,193
2008 77,408
2009 75,727
2010 73,539
2011 70,516
2012 67,631
2013 63,593
2014 60,951
2015 58,949
2016 56,422
2017 53,691
2018 51,108
2019 48,761
2020 46,913
2021 45,078
2022 42,116
2023 40,451

日本の在留外国人数は322万人で過去最多で2023年は26万人増で年間増加で過去最多

日本の在留外国人数 2006~2023年

※2023年6月時点のデータ

出入国在留管理庁:https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00036.html

www.e-stat.go.jp

在留外国人は永住者や中長期在留者などで、3カ月以下の短期滞在者を含まない。

 

 

【増加した外国人数を国別で見ると94%がアジア】

在留外国人で増加した国別

2015年から2023年に在留外国人は105万人増加してますが、その内98万人(94%)がアジアの地域が寄与してました。

 

ベトナム:39万人増

中国:13万人増

ネパール:10万人増

インドネシア:9万人増

フィリピン:8万人増

 

 

【2022年6月から2023年6月の増加が過去最高】

年度 増減
2007 68,054
2008 64,453
2009 -31,305
2010 -51,970
2011 -55,643
2012 -44,852
2013 15,467
2014 37,480
2015 86,289
2016 134,496
2017 164,070
2018 165,793
2019 192,165
2020 56,488
2021 -62,339
2022 138,404
2023 261,889

年間の在留外国人数の増減を見ますと、2023年に急増しているのが分かります。

新型コロナの緩和による影響が大きいのを考慮しても、それでも前年比2倍なのは世界的に見て移民が急増している影響もあると思います。

 

【2022年の移民過去最多610万人 先進国の人手不足背景】

www.youtube.com

【2022年の1年間の移民人数を国別で比較】

2022年の1年間の移民人数を国別

「移民」と「在留外国人」の意味は国によって定義が異なり統計方法も異なりますが、「在留外国人」は「移民」に含まれます。

日本では移民を受け入れてないように国民に訴えていますが、2022年の26万人の増加を他国と比較すると、移民大国と遜色ない人数になっております。

 

【コロナ前と比較して増加した国は、ネパールとインドネシア

news.yahoo.co.jp

 

【日本の在留外国人】

2006 2,084,919
2007 2,152,973
2008 2,217,426
2009 2,186,121
2010 2,134,151
2011 2,078,508
2012 2,033,656
2013 2,049,123
2014 2,086,603
2015 2,172,892
2016 2,307,388
2017 2,471,458
2018 2,637,251
2019 2,829,416
2020 2,885,904
2021 2,823,565
2022 2,961,969
2023 3,223,858

 

戦後70年で10代の自殺率が4倍になり70代の自殺率が1/4になったのは金融資産が高齢者に偏っているから

10代と70代の自殺死亡率 1955年~2021年

オレンジの線:70~74歳の自殺死亡率(10万人当たり)

青の線:10~14歳の自殺死亡率(10万人当たり)

 

参照した政府統計

www.e-stat.go.jp

 

70~74歳の自殺死亡率は、1955年に69.9人/10万人当たりだったのが、2021年には17人/10万人当たりと1/4に減少しています。

反対に10~14歳の自殺死亡率は、1965年に0.5人/10万人当たりだったのが、2021年には2.4人/10万人当たりと4倍に増加しております。

 

【世帯の家計金融純資産は、60代以上が89%を占有している】

2人以上世帯の年齢別の家計純資産の占有率

上記の円グラフではマイナス(40代と40歳未満は資産がマイナス)が表せないので、正確な数字は下記の表になります。

 

世帯主年齢 平均純資産 世帯数割合 乗数
40歳未満 -6,570,000 0.11 -722,700
40代 -660,000 0.185 -122,100
50代 12,080,000 0.192 2,319,360
60代 22,510,000 0.195 4,389,450
70代以上 23,210,000 0.319 7,403,990
      13,268,000
    60代以上 89%

 

総務省データ:https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2022_gai.pdf

 

総務省の家計調査報告によると世帯主の年齢別で純資産は

 

「40歳未満」

平均純資産:-657万円

世帯主の割合:11%

 

「40代」

平均純資産:-66万円

世帯主の割合:18.5%

 

「50代」

平均純資産:1,208万円

世帯主の割合:19.2%

 

「60代」

平均純資産:2,251万円

世帯主の割合:19.5%

 

「70代以上」

平均純資産:2,321万円

世帯主の割合:31.9%

 

この数字を足し合わせて世代別に金融資産の偏りを計算すると

日本の金融資産は、89%が60代以上が占有している。

49歳未満の世帯主が占有している日本の金融資産は0%である。

 

少子化と子供の自殺の増加と高齢者の自殺の減少は、日本の金融資産の世代間の偏りから生じるものと思われる。

 

【昭和30年代に高齢者の自殺が多かったのは3世帯家庭で原因は経済負担】

昭和30年での高齢者の自殺は、単身や夫婦のみではなく、3世帯の高齢者の自殺が多かった。

 

理由は、経済的な負担の負い目が、子供に対して存在してたため。

 

昭和30年代に社会が「高齢者の単身世帯は自殺に繋がる」という間違った考えを普及させてた。

 

引用:http://www.nara-wu.ac.jp/life/family/shimizu/houkokudata/jisatudoukou.pdf

 

昭和30年~40年代の高齢者の自殺死亡率の高さは、経済的に子供に負担になっている負い目からくる「ストレス」が原因と推察されます。

1955年という数字は、「年金制度」が開始された年です。

年金制度により若者の金融資産が高齢者に移動して高齢者の自殺が減ったことになります。

 

【10~14歳は法的に経済で自立できないのがストレスになっているのか】

日本の法律では14歳以下は労働できないので、10~14歳は経済的に自立できなく、親の負担にならざるをえないのが問題だと思う。

2024年現在では、10~14歳の子供は親の価値観から受験競争を強いられている子供も少なくはありません。

しかし子供が受験競争を抜け出したくても自立できないのが今の日本の法律です。

 

 

脳科学では、他人決定で敗北するとうつ病の要因になる】

自己決定で失敗すると線条体ドーパミンは落ちるが、前頭前野ドーパミンは落ちない。他人決定では前頭前野ドーパミンは落ちる。

※ソースはNewtonの雑誌

つまり、親の決定で受験競争をした場合に成功すればストレスはないが、競争に失敗するとストレスが生じてドーパミンD2受容体が損傷してうつ病状態になり、将来のマイナス予測が大きくなってしまいます。

自分決定では成功・失敗に関わらず、ドーパミンは傷つくことはありません。

受験競争が悪い訳ではないですが、子供さんが自分決定してないで競争に参加させられていると「不登校」などに陥る危険性があるという話です。